ロールプレイングゲーム 幻奏戦記ルリルラ

書籍説明

ロールプレイングゲーム 幻奏戦記ルリルラ システム:

ルリルラ

明るい ☆☆★☆☆ ダーク
書籍種類: 基本ルルブ リアル ☆☆☆☆★ ファンタジー
発行年月: 2004-03 直感的 ☆☆★☆☆ 頭脳的
所持する人: 25人 短時間 ☆☆☆★☆ 長時間
コメント数: 2件 初心者向け ☆☆☆★☆ 玄人向け
著者/編集:和栗あきら
出版社:ホビージャパン

幻想世界「アーカイア」を舞台とした、大型ロボット「絶対奏甲」とそれを操るために現世から召喚された「機奏英雄」、絶対奏甲の動力源ともなるヒロイン「歌姫」の織りなす物語です。

<目次>
1:ゲームルール(英雄パート/スキル解説/歌姫パート/個人戦闘と行動判定/奏甲パート)
2:ワールドガイド
3:キャンペーン・パート/シナリオ1 「貴方/貴女がいなくても」/シナリオ2 「英雄のお値段」

ロールプレイングゲーム 幻奏戦記ルリルラへのコメント一覧

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2. yadorigi2110
2020/11/25 11:36
頭のイカれた神システム。
ジャンルとしては「ロボット物」で「美少女物」で「異世界召喚物」である。


【概要】
女性だけしかいないファンタジー世界「アーカイア」
そこに召喚されたPC(9割男性)「英雄」が運命で結ばれた現地妻「歌姫」の力を借り
ロボット兵器「絶対奏甲」に乗ってアーカイアを脅かす怪獣「奇声蟲」と戦ったり
歌姫達の内ゲバに巻き込まれたりデートしたり温泉入ったりする……そんなTRPGだ。

……当時はGMが歌姫をNPCとして管理するのが主流だったかと思うので
それを前提に話を進めることとする。



【現実は非情である】
『現代から召喚されたPCが嫁と一緒にロボットで戦う』

まあ男の子のロマンいっぱいそうなシステムだが実際にはそんなに甘くない。
英雄PCは奏甲に乗る能力こそあるもののそれ以外特別な能力があるわけでもなく
奏甲もどちらかと云えばリアル系のただの兵器、壊れる時はあっさり壊れる。

重装甲タイプでない限りは腕が無くなったり足が折れたり頭が潰れたり
五体満足で戦闘を終える奏甲なんてないと云えるくらい壊れる。

奏甲周りのルールを読めばわかるのだが
どうにもウォーシミュレーション的なものを意識して作られているようで
その扱いはロボットというよりもWW2期のドイツ戦車な気がしてならない。

脚が壊れて移動できない、腕が壊れて攻撃できない、頭が吹っ飛んで命中率が落ちるetc...
そんな中で戦闘を継続しなければいけない英雄は故障ばかりのドイツ戦車乗りに似ている、かも。


【歌姫はきまぐれ】
そしてその奏甲の起動には歌姫NPCの助力が必要不可欠であるのだが――
奏甲には「白兵モード」「警戒モード」「速攻モード」などの起動モードがあり
英雄PCと歌姫NPCとで起動モードを合致させなければいけないわけで
英雄PCは起動モードを任意選択、歌姫NPCはランダムでそれが決定される。

それゆえに合致しないと判定→失敗するとペナルティばかりの「障害モード」になる。
それは別にレアなケースでもなんでもなく頻繁に発生し
障害モードで戦闘開始なんてことはルリルラを遊んでいれば幾度となく経験するだろう。

歌姫NPCと心を通わせるのは難しいものである。



【すれ違う心】
心を通わせると云えば、シナリオの節目には英雄PCと歌姫NPCとでセッション中の遭遇に対して
どう思ったかどう感じたかなどの感情判定を行うことがある。

起動モードよろしく「喜び」「悲しみ」「怒り」などの感情を
英雄PCは任意選択、歌姫NPCはランダムで決定してそれが合致すれば絆が深まるというルールだ。
云うまでもないが、合致しなければ絆は薄まってしまう。

そう、GM裁量でテコ入れしない限りはその辺ガチでランダムなのである。
感情判定で心がすれ違うなんて光景もルリルラを遊んでいればなんべんも目にするだろう。

繰り返すが、歌姫NPCと心を通わせるのは難しいものである。



【ダイス目の奥に歌姫を見い出す】
勿論、GMはそれらランダム性を廃してエモい方向にマスタリングすることも可能ではあるが
ランダムゆえの「歌姫NPCのままならなさ」は逆にある種の面白さを生じさせて”これはこれで楽しい”のだ。

そのランダムさから歌姫に振り回され「この娘は何を考えているのか?」と
こちらから想像力を働かせて歩み寄り意味づけする作業を経ているうちに
プレイヤーは『歌姫がPCにとって便利で都合の良いだけの嫁NPCではない』ことに気付かされる。
そう、それこそが歌姫をGM管理のNPCとするルリルラの本懐であると私は思っている。


【2版? 知らない子ですね】
上述した歌姫ルールに加えて奏甲ルールなど管理するデータも多く
そのコンセプトに反してロボット戦闘も嫁とイチャつくことも中々ままならない。

そんな決して良い出来ではない無印ルリルラだがコアなファンは一定数存在し
酔狂な連中の声に応えて無印発売より2年後に2版「ノイシュタルト」が発売された。
ルールが整理され"まあ無印に比べれば"遊びやすいものになり
歌姫NPCのランダム性を排除したことは大きな改良だったと云えよう。

しかし一方で、私には無印ルリルラが纏っていたその煌めきが失われてしまった気がしてならない。
きまぐれなダイス目の奥にいる歌姫達、それを見出すことこそが楽しかったのだから。
 
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はおー
1. はおー
2018/01/17 15:51
買った記憶はある
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