序章 二度目の喪失、託されたもの Part02
がらこ掲示板セッション[web全体で公開] 3 | |
登録日:2021/02/28 01:17最終更新日:2021/02/28 01:17 |
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6. 尸 | |
2021/03/02 01:58 |
小さく映る影を見、無表情だったスミレの眼が大きく見開かれた。 一日だって忘れたことがない。夢にも見る、あの影。 スミレ「………」 写真に、あの日の光景が重なる。冒険者たち、村の皆、父、母の壮絶な最期。 スミレのもともと青白い顔が更に白くなり、湧き上がる何かに身体が震え、涙が零れた。 スミレ「………いる………コル…ガナ…?」
5. がらこ | |
2021/03/01 23:56 |
では、そんな風に日常を過ごしていた君たちの元に、1人の訪問者が現れる。 アステリア神官「お久しぶりです。……みなさんにも、見ていただきたいと思いまして」 かつて、メリアの里の被害者たちを弔ってくれたアステリア神殿の神官。 彼が持ってきたのは、一冊の新聞だった。 『〈奈落の大侵蝕〉発生。コルガナ地方北西部、半ば封鎖状態に」 一面にそう書かれた記事。 悲惨な状況を示す文章に添えられた数枚の写真。 小さな、本当に小さな影だった。 だが、それを忘れることはできない。忘れられるものか。 あの時と同じように、人を貪り食う仇敵の姿が、そこにはあった。
4. たびがらす | |
2021/03/01 22:43 |
そんなレンゲであったが、夜は相変わらずダリの書斎に入り浸るのが日課であった。 最近は、叙事詩や歴史書がレンゲのお気に入りであった。 レンゲ「ふわ~、人の歴史はとても奥深いのです・・・。」 レンゲ「おかーさまも時々執筆してるのです。あたしもそういうのやってみたいのです。」 書斎の本に書かれていた歴史。特にコルガナ地方における”壁の守り人”たちの英雄譚はレンゲをワクワクさせた。 レンゲ「直接行って、もっと詳しく調べてみたいのです・・・。おかーさまみたいに、本を書いてみるのも面白いのです!」 レンゲは遠くにあるその地に思いを馳せながら、また読書に耽るのであった。
3. たびがらす | |
2021/03/01 20:41 |
レンゲ「怒られたなのです・・・。」 怒られたレンゲ。 スミレに差し出してもらった水をもらい、喉を労わってから、大いに反省した。 レンゲ「やっぱりデスボイスの途中でむせたのがいけなかったに違いないのです。まだまだ練習不足なのです。」 レンゲ「今度は違う方向性でアレンジしてみるのです! そうしたら、今度はきっと褒めてもらえると思うのです!」 反省には違いなかった。 そんなレンゲだが、人の感情の機微には敏感だった。 スミレの中にある不可解な感情を感じ取り、日常に変化が訪れそうな事をなんとなく予感していた。
2. ななせ | |
2021/03/01 00:38 |
ダリ「うぅるせえええええええぇ!!!起きてるわ!!!」 ダリ「どこで覚えたそんな曲!禁止だ禁止!いいな!!」 思わず異貌化して叫びつつ、布団の中から枕を投げつけるダリであった。
1. 尸 | |
2021/03/01 00:15 |
レンゲの奏でたリュートの爆音とデスボイス。 そしてレンゲが盛大にむせる声が聞こえた。 むくりと起き上がり、水差しからグラスに水を注ぐ。 スミレ「………おはよう …レンゲ」 スミレ「……はい …水」 父と同じ、バードとしての能力を開花させたレンゲ。 音楽に関しては何も言わず、無表情のままレンゲにグラスを渡す。 “暗き底の主” を探しに行くことをダリに告げようと思いながらも、言い出せない日々が続いていました。 それが何故なのかは、まだよくわかりませんでした。