Keiさんの日記 「依頼を断ることができないシステムのお話」

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Kei
Kei日記
2021/02/08 01:12[web全体で公開]
😶 依頼を断ることができないシステムのお話
ご機嫌よう。

TRPGでPCが依頼を断るという話は、人類が石器を発明した頃から続いている議論なのですが。それでいて、いつも初心者のGMを苦しめるポイントでもあると思います。

ですが、これってシステム(ここでいうシステムには世界も含まれます)にもよると思うのですね。そして、依頼を断ることが問題になるなら、依頼を断れないシステムについて知ってみるのも良いかと思います。

そこで今回は、わたくしの拙い知識から幾つかの例を紹介します。

RuneQuest: Glorantha の場合
依頼を断ることでPC側に不利益があるシステムの例ですが、PCは社会の一員であって、依頼というものは当然社会的なお仕事です。そしてPCにはそれまでの情熱やライフパスがあります。PLが世界に不慣れな場合など、依頼を断ろうとすることがあるかと思いますが、情熱的に断れないか、ライフパス的に断る動機がないか、それでも理由をつけて断るとしたら非常に大きな不利益があります。部族やカルトからBANされる、彼ら全てを敵に回す、など。
部族からBANされた場合、PCは生活の基盤をなくし、彼らを受け入れる社会が見つかるまでの間、流れ者として生きていくことになります。カルトからBANされた場合はより深刻で、魔法が当然の世界で魔法を失うことになります。Gloranthaは多神教世界ですが、BANしたカルトはもちろん、その友好カルト(事実上、その社会の全てのカルト)からの援助も失われます。
もちろん、部族やカルトからBANされ、苦労の末に他の社会に流れ着き、他のカルトに入信するというプレイは可能です。やりたいですか? そしてまた依頼を断りますか? そうして、世界の全てから居場所を失いますか?

Vampire: the Masquarade の場合
氏族内でのPCの立場は大変に弱いので、やはり非常に断りにくいでしょうし、そうすることで(氏族内で生きるという)生存への保証を失いかねません。氏族を抜けて独立して生きていく……という選択は面白そうですが、ストーリーテラーが特に救済しない限り、長くても10日やそこらで全滅するでしょう。やっぱり氏族の庇護が欲しいですよね? 一度裏切った者には、もっと苛烈な使命を与えましょう。

Paranoia の場合
上記はゆったりとした社会的な処刑の例ですが、Paranoiaでは文字通り即時処刑されるだけです。この状況でミッションを断るなんてあり得るんでしょうか。ともあれ、次のクローンはきっとミッションを引き受けるでしょう。

それ以外でも適用できそうな多くの場合
依頼を断ることで冒険者の悪評が広まり、以降の仕事を受けられなくなるかもしれません。

これらの多くに共通しているのは、PCが既に依頼を受けなければならない状況下にある、ということかと思います。それを始めに説明しておいたら良いのではないかとも思います。

わたくしが知る限り、PCが依頼を断ることができ、それが当然の権利でもある例は、Travellerシリーズで自由貿易をしている場合でしょうか。通常の貿易をしている方が利益になるような依頼なら、断って当然ですね。というか、わたくしが知る限り、これが最も依頼の強制力がないパターンです。Traveller宇宙では、他のほとんどのTRPGと違って、依頼を断るということに対するペナルティを非常に与えにくい。なので、みなさん一遍Travellerをプレイしてみたら良いのでは……と思うのですが、日本では各シリーズ絶版ですね。あら。

とまれ。依頼を断られて困るのなら、断れないようにするか、断ったら巻き込む(この場合PCには報酬が支払われません)という展開を用意しておくべきかと存じます。これは想像ですが、典型的な例として困るのは、困っているので助けてください、といった内容の依頼かと思います。特にそれでPCに不利益がない場合、「なんで?」「やだ」「別の人に当たってください」といった反応になりやすいかと。そういった場合、同じ理由でPCを困らせてしまうこともできるでしょう。例えば「モンスターが現れて困っているので退治してください」という依頼に「そんなモンスターくらい自分たちで退治してくださいよ」と返したら、PCが当のモンスターに襲われて大変に困るという流れがあるかもしれません。

モノトーン・ミュージアムのように御標を下してしまうという場合もあるでしょうし、また別の極端な例では、フィアスコのように、その依頼を受けなかったことが、さらなる悲惨な状況に繋がる場合もあるしょう。

また、原則として、困っているので助けてください、といった類の依頼はなくすべきかとも思います。もしくは、断って欲しくないなら、こういう依頼があって受けました、という地点からスタートすべきかと。依頼を受ける過程が盛り上がりますか? 萌えますか? その妄想は捨ててください。そういう妄想は、シナリオの別の部分に振り分けるべきです。

もちろん、ハンドアウトで誘導してしまう、といった方法もあるでしょう。
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レスポンス

KAL666
KAL666Kei
2021/02/08 10:40[web全体で公開]
> 日記:依頼を断ることができないシステムのお話
私の中では、依頼を断ったら、“断った”という選択の結果のエンディングを迎えます。
それが、自己紹介と日常のロールプレイだけの30分で終わっても、
それが選択の結果なら、良いのではないでしょうか。
もちろん、断ることも想定したシナリオ作りをしてもよいのですが、
1話完結なら、別にいいかな。

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