ねおすろさんの日記 「片道勇者TRPGであそびました!」

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ねおすろ
ねおすろ日記
2016/11/23 14:34[web全体で公開]
😶 片道勇者TRPGであそびました!
楽しかったです!

 飄々と風吹く草原……そこを行くのは三人の勇者であった。
 一人は剣士。少年と言ってもよい年頃だが、その赤い目は鋭い。そして、彼の耳は長く、尖っていた。遠い国ではエルフとも呼ばれる、耳長の一族である。彼の名はフロートと言った。
 もう一人は理術士。赤い衣に身を包んだその姿は、さほど歳を重ねたとも見えないが、奇妙に老成した雰囲気を纏っていた。フードに隠した目を覗くものがあれば、その赤錆びたような視線に身を竦ませたやもしれぬ。彼は己の名を名乗らなかったが、呼び名を欲すればレッドスピリットと答える。サイコロで決めた名前である。
 そして最後の一人は騎士。キリンである。その身を包んだ騎士の外套から伸びる首は長く、黄に茶の斑点をまとっている。獣人はさほど珍しくもない存在だが、かように人を脱した姿を取るものは珍しかった。彼は呪いを受け、獣に姿を変えられた人間だったのだ。その名を、クラウドと言う。

 三人はやがて、行く道を分かれた。理術士は北へ、そして剣士と騎士は南へ。彼らが目的を達するためには、世界に残る多くの力を束ねねばならぬ。そのために、一時行く先を分けたのだ。

 北に向かった理術士は、サボテンを村の空き家から盗んだところを衛兵に見つかりそうになり、口八丁でごまかしてその場を離れた。
 この行為を評して勇者らしからぬ、と断ずるのは簡単だろう。しかし、もはやこの世界を覆わんとする『闇』に対抗するためには、手段を選ぶこと自体が欺瞞とも言える。結果として、理術士は誰も傷つけることなくその場を立ち去ったのだ。
 経験値的にはいっそ戦闘してもよかったかな、とかPLは後で思ったが、しかしこのサボテンが後に彼らの運命を決する鍵となるは、まだこの時は誰も知らぬことであった……。

つづく(かもしれない)
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