ポール・ブリッツさんの日記 「イレギュラーな展開が嫌いな人向けのTRPGを考える」

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ポール・ブリッツ
ポール・ブリッツ日記
2022/12/05 18:33[web全体で公開]
😶 イレギュラーな展開が嫌いな人向けのTRPGを考える
某人と話してみて、結局のところ嫌いなのは「セッションがシナリオで意図しなかったイレギュラーな展開になること」であり、「イレギュラーな展開を作り出しやすい「想定外のPC」がいやだ」ということなのではないか、と思った。

個人的には「イレギュラーな展開が楽しみだからTRPGをやっている」ような自分であるが、同じ釜の飯というか、同じオンセンにいるんだから、そうした「イレギュラーな展開が嫌いな」人にも向いているTRPGを考えるべきではないか、と思ったので考えてみた。

最初に思い付いたのが「ガンダム」である。特に一年戦争もの。イレギュラーな展開も何も、PCはMS乗りである一兵卒に過ぎず、命令はすべて本部から来るうえに、すでに始まっている戦争の流れをPCが変えるなんてできるわけがなく、やれることは命令に従ってMSに乗って「やられる前にやれ」の精神でもって敵のMSを破壊するだけであり、後は基地か母艦でうまくもない飯を食うなりケンカするなりくらいしかない。生き残るためには少しでも技量を向上させ、優秀なMSに乗らねばならず、それができないやつは死ぬのみなのだ。このゲームに問題があるといえば、戦闘がリアルすぎて能力を開花させたようなPCでも、流れ弾一発で閃光マーカーになってしまうことくらいだろうか。同様のゲームとして、第二次大戦ネタの「大空のサムライ」と「騎士十字章」も上げておきたい。

イレギュラーな展開を排除するためには「PLの選択肢を減らす」ことも有効な手段であろう。HJから昔出ていた「RPG福袋」には「PLの選択肢を考えられる限り減らしました」というようなミニTRPGがゴロゴロしている。プレイして面白かったのが「英雄戦隊セイギマン」である。いまはニチアサでやっているスーパー戦隊の世界観を忠実に再現することを目指したのであろうこのゲームは、PLに提示された「敵怪人を倒すという明確な目的」に向かって、「怒る」アクションを積み重ねていき(このゲームでは基本的にPLは「怒る」という行動しかできない)、怒ることによって精神的にも場を盛り上げていって怪人を倒し巨大ロボを破壊することでカタルシスを得る、という、3ページくらいしかないコンパクトなルールながらもよくできたゲームであった。全13話くらいのキャンペーンを毎週やって3か月、というのがいちばん楽しめるのではないかと思う。

イレギュラーな展開になりようがないのが「ブラッド・ソード」である。「四人で同時に行う、相談できるゲームブック」とでもいうべきこれは、選択肢を選んでいくゲームであり、その内容も全部書いてある以上、どういう展開になってもすべて作者の思う通り、なのだ。日本語版は入手困難なうえ最終巻が未訳、ということさえなければ万人にお勧めしたいのであるが。同様のゲームとして、「幻のユニコーンクエスト」の「ファンタジー・トリップ」の各シナリオもお勧めしたい。これも入手困難なんだが……。

他にも何かありそうな気がしたんだが記憶力が最近とみに低下しているせいか思いつかないのでセッションの準備でもしよう……。
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レスポンス

かもらいふ
かもらいふポール・ブリッツ
2022/12/06 11:01[web全体で公開]
> 日記:イレギュラーな展開が嫌いな人向けのTRPGを考える
イレギュラーな展開が嫌、というより「予測も回避も可能なはずの『失敗』『味方への迷惑』が、人為的な怠慢ゆえに発生する」のが嫌なんですよ、アレ。

気持ちは分かるんですよ。私だって「素の器用度が低いのに、何ら底上げ対策を講じないどころか命中力にペナ入る武器装備してさえいる」とかなら「おいおいちょっと待て。少しは自己バフ積むかメイス持つなりしろよ」とか口出したくなります。

でも、「器用度の高い種族に命中ボーナスの付く武器に自己バフと他バフガン積みしてレギュレーション内での命中力理論最大値を目指せるビルドでないのは怠慢」ってのはどう考えても要求しすぎ。つまりは、この両者の間に落としどころがある「程度問題」なワケですね。

で、その「程度」の閾値設定が、私なんかは「サンプルキャラクターと同程度あれば十分で、それ以上は趣味の領域」ってスタンスで、おそらく一般的なPL・GMも大体似たような落としどころだと思います。
一方で例の方は「同条件でより強く・より対応力のあるビルドがあるのに、そうしないのは怠慢。その怠慢による負担を自分は押し付けられたくない」となる、というスタンス。
その上で、自分の理想が高すぎることを認めず「自分が普通」と定義するので、(相対的に)意識が低い他のPLが「他人に迷惑を押し付ける迷惑プレイヤー」に見えるわけですな。

結論、「わしらには救えぬものじゃ」
Mackintosh
Mackintoshポール・ブリッツ
2022/12/05 20:26[web全体で公開]
> 日記:イレギュラーな展開が嫌いな人向けのTRPGを考える
イレギュラーな展開がないTRPGで自分が思い浮かんだのは「ウンババウバッホラオラオハー」ですね。
去年の年末ごろに実卓で全三回のミニCPをやりましたが、結構楽しかったです。
Kei
Keiポール・ブリッツ
2022/12/05 19:47[web全体で公開]
> 日記:イレギュラーな展開が嫌いな人向けのTRPGを考える
つまりファイナルガールが最強ということですのね。わかりますわ、その結論。問題はそういう方とファイナルガールを遊んだら楽しいのかという点ですが……(。
nal
nalポール・ブリッツ
2022/12/05 19:07[web全体で公開]
> 日記:イレギュラーな展開が嫌いな人向けのTRPGを考える
前やった・Hackもイレギュラーは発生しづらいですね。まあ、選択肢の限定と、ロールプレイの発展性は矛盾する要素ですか──。

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