温森おかゆ(まんじゅう)さんの日記 「銀剣のステラナイツ雑記【ワールドセッティングまとめ】」

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温森おかゆ(まんじゅう)
温森おかゆ(まんじゅう)日記
2024/02/02 18:13[web全体で公開]
😶 銀剣のステラナイツ雑記【ワールドセッティングまとめ】
 銀剣のステラナイツは1巻だけでも遊ぶことはできるが、2巻である『霧と桜のマルジナリア』、データ集となる3巻の『星屑のリヴラガーデン』を導入しても遊ぶことはでき、しかもそれらに載っているワールドセッティング(世界観設定)次第で、さまざまな形態、性質の二人組が作成でき、さまざまな世界背景を体験できるようになっている。
 だがひとくちに「霧と桜のマルジナリア」などといっても、ルールブックを読んだところで「何のワールドセッティングだったっけ?」となる事多数なので、雑記としてまとめておくことにした。

◆まず「銀剣のステラナイツ」とは?
 世にも珍しい「一人2キャラ作って演じ分け、うちよそするTRPG」。キャラクターは基本的に剣をもって戦う「ブリンガー」、ブリンガーの剣や武具へと姿を変える「シース」となって、それぞれがニコイチペアを作成して世界を守るため、願いを叶えるための戦いに挑む。世界を崩壊させようと企む敵との戦いを描く以外は基本的にシナリオはあってないものであり、戦いが始まる前のパートナーとの関係や日常を描くのが主体のナラティブ系の側面もある。
 ロールプレイに対して他のプレイヤーが感動したときに「ブーケ」と呼ばれるリソースを投げられることでも有名。
 たっぷり濃厚なロールプレイしようぜ! でも地雷チェックは怠らずにな! というのがこの作品のコンセプトだ。
 ナラティブ系にありがちではあるが、気の合う相手と遊ぶとメチャクチャ楽しいが、好みが合わないところでムリヤリすると地獄と化す危うさも持ち合わせている。

◆霧と桜のマルジナリア(2巻:P115)
 ヴィクトリア朝時代の英国を思わせる都市世界である「霧の帝都」、大正時代の日本を思わせる都市世界である「桜の帝都」。
 二つの世界は間近にあり、衝突寸前となっている。それというのも「誰かさん」が、いずれ来る崩壊の時の前に自らこの二つの世界を衝突させ、大規模な「終末」を迎えようと決めてしまったからという「手の込んだ心中」のためである。
 これはいずれ来たる崩壊を前に、ふたつの帝都を延命させるための戦いだ。
 ──という世界観は一応あるのだが、このワールドセッティングでは基本的に「誓約生徒会(カヴェナンター)」と呼ばれるキャラクターが作成できることの方が特徴と言えよう。
 誓約生徒会は一度夢破れたステラナイツ、あるいは同じ願いを持てない者同士だが、それでもパートナーになる資格を有する者たちがなる「疑似のステラナイツ」である。
 「歪みの共鳴が溜まってしまって敵側になってしまった(実質ここで一旦ロストとも言える)が、まだまだパートナーとの願いは終わってない! まだこのキャラクターを使いたい!」というプレイヤーの切実な願いの受け皿としての存在意義が一番大きいと思われる。

◆手紙よ、この思いを届けてくれ(2巻:P176)
 敵に喰い尽くされ、修復不可能なところまで崩壊した世界。そこにはなにもなく、ただ、自らの証明を書き記し続けることで僅かな延命をすることができる世界。その世界で離ればなれになってしまったステラナイツが、お互いに文通し、互いの存在を感じ、世界を存続させていく、といったもの。
 世界観は物悲しいが、これは新たなセッション形式「レターセッション」と呼ばれるものを提案する形でのワールドセッティングになる。簡単に言ってしまえば今どき流行りの「置きレス卓」というものとなる。
 集まる時間を確保することが難しい監督(GM)と俳優(PL)同士で遊ぶためのもので、何とか数時間の時間が取れればステラバトルの時間を作って、そこで初めて肉体を得たステラナイツたちは合流することになる。
 時間がないけど合間の時間に激エモなセッションがしたい! という願いに応えたセッション形式となる。

◆リコレクト・ドール(2巻:P196)
 とうに人類が滅亡してしまった世界で、その世界の人類の記憶を収集し、保管し、いつの日か人類を蘇らせることを使命とした人形「リコレクト・ドール」になって終末世界を味わうことができる。
 このワールドセッティングで遊ぶ以上は作成キャラクターは必ず球体関節人形を作成することになる。球体関節人形萌えの人にとっては何か琴線に触れる話ではなかろうか。しかし注意して欲しいのは、このワールドセッティングで遊ぶと、基本的に3回までしか同じキャラクターでセッションができないことである。
 最終章が終わり、セッション終了と同時に、モールド(このワールドセッティングにおけるブリンガー側の役)は人類の記憶を一つ会得する。それが3つ溜まると、モールドの役目はいったん終わり、機械の塔へと収拾した記憶をおさめに行かなければならない。これが実質的なロストとなる。
 いつか訪れる別れ、偽りの生命を持つ球体関節人形で、人類の記憶を追い求める終末旅行。そんな物悲しさが好きなら、このワールドセッティングはお勧めである。

◆シトラ女学院(2巻:P224)
 「え? シトラ女学院って基本ルールブック1巻にも載っていた学園都市にある学園のひとつのことなんじゃ?」と思われた方は詳しい。そのとおりで、学園都市の中でも「シトラ女学院」にフォーカスを当てて、さらに掘り下げたものである。ズルいぞ。
 徹底した閉鎖環境と高水準の教育スタッフにより、純粋培養のお嬢様が量産される由緒正しい女学院。……という既存の設定に加え、新入生と上級生が「姉妹(トゥリーブ)」というペアを作る制度や、歪みを蓄積したステラナイトや、敵によってゆがめられかねない心の闇を持つ生徒を、闇堕ちする前に救出するための「決闘裁判」などがある。
 実際の所あんまり読んでいないが、濃厚な百合と濃厚なお嬢様寄宿学校のロールプレイがしたいのなら、このワールドセッティングを読み込むと楽しいと思われる。
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