Keiさんの日記 「ルールブック再読:Mage: the Ascension」

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Kei
Kei日記
2021/03/22 21:35[web全体で公開]
😶 ルールブック再読:Mage: the Ascension
ご機嫌よう。

遊んでいない、それどころか碌に読んでさえいないルールブックを改めて読むシリーズ、二回目はアトリエサードから翻訳・刊行されていた旧ワールド・オブ・ダークネス(以下WoD)シリーズの「メイジ:ジ・アセンション(以下M:tA)」を選びました。たぶん絶版かしら?

このルールブック、どうしてちゃんと読んでいなかったのかというと、ものすごく読みにくいからです。M:tAに限らず、アトリエサードのWoDシリーズは全般的に読みにくいのですが、M:tAの読みにくさはずば抜けています。噂によると、そもそも原書が読みにくく(本国でも執筆者が最初から最後まで酩酊して書いたと評されているとか?)、その雰囲気を最大限残しているらしいのですが……専門用語のオンパレード、一般的でない用語や言い回し、回りくどい記述などに読解力と精神力が試されます。事実、購入したのはまだTRPGから一旦離れる前だったのですが、読むのを諦めたのでプレイしていないのでした。装丁やデザインはいいのですけれど。

ものすごく読みにくいので、順を追って読んでいくことは諦めても良いかと思います。今回わたくしは、詳細なリストなどは飛ばしてあちこちのページを行ったり来たりしつつ、気になる記述を拾うような読み方で読みました。

それで、どんなゲームかと申しますと。

現代世界で突如魔法に目覚めてしまったらどうしますか? それまで信じていた物理法則やら科学やらといったものは世界の見方の一つにすぎず、それとは別の、魔法という側面に気付いてしまったら。困ったことに世界は魔法を否定する仕組みで満ちていて、それゆえに簡単には魔法を使うことができず、しかし、魔法を使わずにはいられない……。来るべき科学との戦争を前に、魔術師として覚醒できるでしょうか?!

というような世界観で、見直してみるとシステム自体は軽いですね(10面をじゃらじゃら大量に振って、成功の出目が幾つあるかというシステムです)。ですが、くっついている設定が重いです。世界から魔法が失われていった歴史、それでも残る魔法が使える人々の派閥、歴史や派閥によって形成された制限、そして魔法を使ったり使わなかったりすることで起こる葛藤、などなど。

あと、このシステムは原理的に、魔法には限界がありません。Aという呪文がBという効果と対応している、もちろんルールブックにはそう記述されている魔法みたいなもの?もあるのですが、魔法はそれには限られません。ただし、どうしてその魔法が動作するのかはプレイヤーが説明しなければなりませんし、システム的に魔法が成功するかどうかも別問題です。偶然に見せかけた小さなことを起こすのが精一杯というか。これは結構厳しい条件に思えます。一方で、判定のためのルールは確かにあるのですが、魔法の描写はナラティブだとも言えます。WoDシリーズが初期のナラティブ系TRPGと言われるのも、なるほどという感じがします。

世界観は大好きです。ただ、わたくしがイメージするM:tAは一般的なM:tAではないような気がします。例えば、事件を解決するには魔法が必要で、どうにかして資源を管理してその魔法を実現する……というようなことがしたいとは、思わないんですよね。それよりも、圧倒的絶望の中で魔法を使わないわけにはいかない状況に追い込んで、でも、魔法を使うから更に状況が悪くなる、それってルールブックのサイドストーリーに書かれていることですが、そういうお話をしてみたいな、と思います。
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