Keiさんの日記 「ルールブック再読:指輪物語ロールプレイング」

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Kei
Kei日記
2021/03/28 21:00[web全体で公開]
😶 ルールブック再読:指輪物語ロールプレイング
ご機嫌よう。

ルールブックを改めて読んでみるシリーズ、三回目の今回は何にするかとても迷ったのですが、「指輪物語ロールプレイング(以下MERP)」を選びました。こちらは、TRPGに飢えていたTRPG歴のごく初期の頃に購入したもので、碌に読んでいないということはございません。ただ、遊んだことはないかしら。CD&Dのいわゆる赤箱と迷いに迷ったことを覚えていますが、当時指輪物語を読破して意識高い系を自称していたわたくしは、最終的にMERPを選んだのでした。

ともあれ、MERPはロールマスターというRPGのサブセットで、指輪物語の背景世界「中つ国」を舞台にしたものですが、なんとこの箱の中には中つ国の設定とかは何も入っていません。このことは当時のわたくしを大いに落胆させたものでした。それでいて、種族や文化や言語など、中つ国用語が何の説明もなく使われます。

また、最初期の翻訳TRPGの一つらしい点として、訳語が妙に堅苦しいところがあったりします。記述も散らかっていますし、その上平板です。いまどきのルールブックを見ると、ルールブックって進化したのねって思います。前回読みにくい読みにくいと書いたM:tAでさえ、表現力に溢れた記述に感心します(良い意味での感心ですよ)。というか、本当に、指輪物語を感じさせるような記述が、何一つとしてありません。

まあね、でもこれは、当時の「スタートセット」の類にはよくあることでした。わたくしの大好きなルーンクエストだって、スタートセットには世界の記述なんて何一つありませんでしたし。

ルール的な特徴は、やたらたくさんの表と、無限ロールかしら。無限ロールはd100の結果によって更にd100を足したり引いたりするものですが、正直、必要性が良く分かりません。キャラクターの表現は一見技能制っぽくなっていますが、d100に技能値に更にあれやこれやのボーナスやらを足して、更に使った技能やら何やらによって違う表を参照して成功度合いやら何やらを求めるという……とにかく常に表を使うものですから、表は別冊になっています。BRPのような技能制システムと比べて非常に散らかった印象があります。原理的に、技能がなくてもd100の出目が良ければ成功するものは成功するように見えます。

あと表の見所は痛打表かしら。見方によってはユーモラスに書かれていると申しますか、まあ楽しいものでしょう。

あとは……そうねえ、呪文の説明がびっくりするくらいに簡潔だったりとか。数はまあそれなりに用意されていますけれど。何ていうか、ゲーム的なものばかりです。中つ国っぽさは感じません。

そして。モンスターデータです。倒すべき敵としてのモンスターのデータさえ、一見、このルールには(数値的には)書いていないように見えます。実際には表があるのですが、文章と表は互いに全く無関係かのように存在しています。参照すべきページのリンクすらなく、一方には説明だけ、一方には数値だけが書いてあります。それでいて説明の中に脈絡なくボーナス値が書いてあったりして、とにかく散らかっているという印象を受けます。

正直、このルールに魅力を感じて遊びたいと思うかと問われると……難しいですね。あの時赤箱を買えばよかったのに、というのが偽らざる思いです。
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