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😶 ルールが書かれていないルールブックのお話 ご機嫌よう。 昨年プレビューを訳していた Lilancholy の完全版を入手しましたの。Lilancholy が TRPG なのかどうかは議論が分かれるかもしれませんが、わたくしは TRPG だと思いますし、気に入りましたの。 Lilancholy は妖精を題材にしたゲームですが、いわゆるゲームのルールは書かれていません。遊ぶのに何が必要なのか、遊び方も判定方法も書いていませんし、プレイヤーやキャラクターという概念も書かれていません(したがってステータスなどの類もありません)。GMが必要なのかどうか、シナリオが必要なのかどうか、そういったことも何も書かれていません。 以前マイクロスコープという、GMなしシナリオなし判定なしステータスの類なし自分のPCという概念もない TRPG について触れましたが、Lilancholy は、シナリオなし判定なしステータスの類なしそれ以外はあいまいな TRPG ということができるかもしれません。 それではルールブックには何が書かれているかというと。 妖精は人間らしくなりたいの。だから妖精たちは私たちから人間らしさを奪おうとするの。人間らしくあるために積み重ねたすべての小さなものを。妖精たちに人間らしさを奪われないためには、妖精たちとゲームをするしかないの。ゲームの勝者がすべてを手に入れるのよ。怖いかしら? ふふふ……。 これからお話しするのは、彼女が見せてくれたゲームよ。私たちがゲームすることにしたら、彼女はこう言ったんの。「あなたは安全だし、あなたを守ると約束するわ」それから彼女はルールを教えてくれたわ。時には私の手を握って「手を握らなくてもいいんだけど」と言ったわ。 こういった感じのポエム、呪文のリスト(呪文の説明にはポエムが書かれています)、妖精たちとのゲームのリスト(それぞれのゲームには遊び方と勝敗の決め方が書かれています。勝敗の決め方というのは判定の仕方ではありませんし、知っているゲームもあるでしょう)。それが全てですの。 Lilancholy には実際たくさんのポエムが書かれていますし、ポエムを通じて呪文の使い方や妖精とのゲームの遊び方を学ぶこともありますが、決まった遊び方があるわけではなく、ポエムや呪文や妖精のゲームを読んで感じたこと、想像できる全てのことが、Lilancholy で遊ぶことのできる全てかしら。わたくしはそれでも TRPG だと思いますが、いわゆる「普通の」TRPG では全くございませんし、遊び方がわからないという反応の方が普通かもしれません。作者の方は「色々な楽しみ方ができる」とおっしゃっています。 わたくしはこういうタイトルに出会うのが楽しいですし、遊んでみたいと思っておりますが、まず訳さなきゃ……(。
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