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😶 カーネーションを貴方に それから 週が明けて、学校では空席が目立つようになった。 机につっぷすと制服の袖からお香の匂いがしてくる気がした。 教室はためらうような静かさに包まれていて、毎朝、宿題をやっただやっていないだの会話がひどく遠い思い出に思えた。 早く麻衣の明るい声が聴きたい、三浦くんの遠慮がちな優しい声が聴きたい。 そんな風に考える自分の勝手さと後ろめたさで泣きたくなった。 授業はお昼には終わって、先生から明るいうちに帰るように言われた。 誘われて小駒くんと一緒に三浦くんの家にお見舞いにいった。 小駒くんがいつもの調子で明るく話しかけている間、わたしは何て話せばいいのかわからなくてずっとだまって聞いていた。 次はお菓子作ってくるから、と帰りがけになんとか言えたけど、ものすごく場違いなことを言ってしまったような気がして三浦くんの顔をまともに見られなかった。 皐月とはどちらから言い出したともなく、駅まで一緒に帰るようになっていた。 一度、デパートの花屋に立ち寄ったとき、麻衣と来る約束をしていたのよ、と言いながらいろいろな花の花言葉を教えてくれた。 売れ残りのカーネーションを目にとめたわたしに、皐月は黄色いカーネーションを一本手に取って、知ってる?とわたしに言った。 その日、わたしたちはいろいろな話をした。 『――になりそうね?』 わたしはあれから何日かに一回は夜中に悪夢で飛び起きることがあった。 恐る恐る台所を覗くとお母さんがテーブルに頬杖をついていた。 目が合ってもじもじしているとホットミルクを作ってくれた。 二人で向かい合ってミルクを飲んだ。 静かな時間がゆっくりと過ぎていった。 わたしもいつかお母さんになって、こんな時間を過ごすんだろうか。 上目遣いに様子をうかがうと、お母さんは泣きそうな顔で笑っていた。 わたしも同じような顔をしていたと思う。 言い知れない不安が続く毎日でも、暖かな気持ちがこうして繋がっていることはわたしを少しだけ強くしてくれる気がした。 流しの脇の瓶に刺された赤いカーネーションが一輪、ふわりと揺れた。 ーーーーーーーー 本日、お水様のキーパーで灰月市様作の「カーネーションを貴方に」に参加させていただきました。 好き嫌いがかなりわかれるシナリオとのことで、確かにそうかもと思いました。 NPCの麻衣、皐月と同性キャラクターということもあって、二人は今どういう気持ちなんだろう、これからどうなっていくんだろうとあれこれ考えさせられて、とてもいとおしくなりました。いつも明るいムードメーカーな小駒くんも、遠慮がちだけどお節介なくらいの気遣い屋の三浦くんも抜群のけん引力で、後ろをついて行きながらありがたい気持ちでいっぱいでした。 というわけで後日譚妄想でした。 学校欠席組はそれぞれに事情を聞いたりしたことを総合して、たぶん、こういう状態なのではと思ったところでありますが、例によってあくまで妄想でした。三浦くんは壁に絵が飾ってありそうとか、本棚からトリガーになりそうなものが載ってる本が抜き取られてそうとか妄想は広がったのですがびびりなので書ききれませんでした。麻衣と皐月は何言ってもネタバレになりそうで、今も割とまずいのではと思いながら、ぎりぎりの線を探りながらどうしても書きたいことだけごめんなさいさせてもらってます。シナリオやった人と存分にネタバレ会話したい!! あひるさん、マーシュさん、そしてキーパーのお水さん、楽しい時間を本当にありがとうございました。シナリオ製作者の灰月市様にも感謝です。 またよろしければ遊んでやってください。
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