りちゃさんの日記 「最果てのレイル それから」

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りちゃ
りちゃ日記
2020/07/21 00:20[web全体で公開]
😶 最果てのレイル それから

ホームに続く階段を駆け下りて、着いたばかりの地下鉄に飛び込んだ。
息を整えながら扉が閉まる音を背中で聞くと、我に返ってしゃんと背中を伸ばした。

がたごとと走る列車の窓から見えるのは真っ暗な壁と、線みたいに繋がって過ぎ去っていく蛍光灯の灯りだけだったけれど、わたしには他のいろいろの景色が重なって見えていた。

青く光る絨毯に珪砂を流した空の河、ぼぼぼぅと響く蒸気の発露。
子守歌みたいなやさしい声、頼もしい不敵な笑み。
ちょっと生意気な声に、愛らしい笑顔。

誰もかれもが迷子だったけれど。
それが最果ての星座を巡ったわたしたちの物語。

普通ならきっとすれ違うこともなかったわたしたちは確かに線で結ばれた。
これまでどんな時を生きてきたとしても、これからどこに向かっていっても、きっとわたしたちはひとつの星座だ。瞬いて、想い合って、物語になる。


メールの着信音がして確認すると会沢さんが落ちあう場所を知らせてきていた。
病院近くの喫茶店で、リンクを開くと落ち着いて雰囲気がよさそうな店だった。
混み始める前に奥のスペースを確保している辺りが、言葉にはしないが二人に気を使っているのだろう実にあの人らしい周到さだと思った。

思えば未谷さんが本を出している出版社に連絡を入れたのだって会沢さんと同時くらいだったらしいのだけれど、わたしはうっかりファンレター係に連絡してしまったものだから危うく見落とされそうになっていたらしい。
フォローしてくれた未谷さんのメールは文面からも彼女の声が伝わってくるようで、こちらもゆっくり読んでしまう。
ゆっくり読んでいるうちに気持ちが落ち着いてきてしまうだから本当にすごい人だと思う。

列車が揺れた拍子に窓に映った自分の顔に気が付いて、二、三度瞬きをした。


車内アナウンスが次の駅への到着を告げた。
何人かが座席から腰を浮かせて、ぞろぞろと扉の前に集まってくる。

民間人を守るのが警察の役目だからな、と兄さんが毎日のように言っていたのを思い出した。
ついに帰らなかったあの日の朝もそうだった。
いま思えばあれは自分自身への約束だったのかもしれない。
どんな時にでも自分の望みを手放さずにいられるように。
兄さんの最期は結局誰にもわからず仕舞だったけれど、きっと兄さんらしい選択をしたのだろう。

わたしはこれから確かめに行く約束を思って見つめた両手をそっと握った。
それは悲壮感でもない、使命感でもない、あたたかくて、きらきらした約束の星座。

兄さん、わたしにもできたよ。


ーーーーーーーー
先日、じゃーが様キーパーでホリ様作の「最果てのレイル」に、新米警官、羽戸 詩絵(はねと しえ)で参加させていただきました。

えもいからね!と言われての参加だったので心の準備はできていたつもりだったのですが、いやあ、えもかったですね!ちりばめられた描写やキャラクターたちも勿論でしたけど、小笠原さんの口調も、マダラさんの休憩中の熱弁も、じゃーがさんの語りもすべてが積みあがった最高の列車旅でした。キーパーしてくださったじゃーがさんには、いろいろサービスいただいてそれもあって心残りなく繋がれたような気がします。また最後にはすてきなお土産までいただいてしまって、うれしくて今回つい自キャラ語りまで入れてしまいました。

というわけで後日譚妄想です。
すでに小笠原さんが素敵なそれからを読ませてくださったので、なんとかアンサーを返したいと思ったのですが、いつもながらあくまで妄想、もしかしたらのそれからなので!と予防線を張りながらの書きあがりになりました。今回は勢いあまってよそ様の子まで動かしてしまっていつも以上に落ち着かない心持ちですが、作品や物語、一緒に過ごしたみなさんへのファンレターにはなっているつもりです。です。

改めまして、小笠原ナカジさん、マダラさん、そしてキーパーのじゃーがさん楽しい時間をありがとうございました。シナリオ製作者様のホリ様にも感謝です。
またよければ一緒に遊んでください。
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レスポンス

じゃーが
じゃーがりちゃ
2020/07/22 00:50[web全体で公開]
> 日記:最果てのレイル それから

後日談ありがとうございますー!
毎度素敵な記事をありがとうございます。

良い旅を楽しんでもらえて本当に良かったです!
色々とガバガバ要素も満点でしたが、皆さんが楽しく過ごし、
そして帰ってきた世界で新しい出会い?いい出会いをしてくれるといいなと思います!
出会った先は後日談では語らないスタイル!

また皆さんで良いセッションをしたいですね!

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