ぱむださんの日記 「剽窃シナリオの話」

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ぱむだ
ぱむだ日記
2024/11/12 09:00[web全体で公開]
😶 剽窃シナリオの話
Xで話題になっている件で、CoCは守備範囲外なのでスルーしていたのですが…
調べてみるとTRPGの枠を超えたかなりの事件のようなので、個人的なメモとしてここに書き残しておきます。

話題になっているシナリオの名前は、「白粉屋さん(しろは)」さん制作のCoC6版シナリオの「El Colgado Avatara -エル・コルガド・アヴァターラ- (エルコル)」。
「白粉屋さん」は、CoC6版の有名な同人シナリオをいくつかリリースしているショップです。よく名前を目にする有名なものは「四季送り」「ロトカ・ヴォルテラの愛堕討ち(ろとあだ)」「人間失覚殺人癖」あたりでしょうか。


「El Colgado Avatara -エル・コルガド・アヴァターラ- (エルコル)」は、「ファイナルファンタジー14」のストーリー・セリフ・NPCの盗用でほぼ構成されていました。
「ファイナルファンタジー14」はオンゲーのゲームシステムとメインストーリーの各章がそれぞれ通常のコンシューマRPG1本に匹敵する大ボリュームもあってプレイに非常に時間がかかるのですが、それもゲームが与える体験の重要な要素になっています。そのため、制作側からもメインストーリーのネタバレについての声明が出されています。
しろは氏は、ネタバレが禁止されているメインストーリーのそれも最新章を、人気NPCの存在なども含めて全てCoC6版のシナリオにして販売したということになります。850円也です。

正直、なんというか……
あらゆる角度からあまりにもあり得ない事件で、困惑の方が大きいというのが正直なところです。

FF14はとても人気のあるコンテンツです。もちろん、人気がなかったら剽窃していいというわけではないんですが……そんなところから「ストーリーもキャラクターも全部」持ってきちゃったら、そんなもんバレないわけがありません。ネタバレ禁止されてるので内容で検索してもひっかかりにくくてバレにくいというのはありますが、そもそものプレイヤー人口が多いわけですから。
それも、何も知らずにこのシナリオで遊んだら期せずしてメインストーリーの内容がわかってしまう程度にはそのままのようで……FF14をプレイ中の人がこのシナリオを遊ぶことで「ネタバレを踏んでしまう」くらいに。
これに関して、製作者は公開当時に「FF14に影響を受けているかもしれませんが、インスピレーションでありオマージュではありません」と明言していました。
そして、問題が明るみに出ると、「インスピレーションではなくオマージュでした」と謝罪しています。
正直ここにこだわるのもよくわからないというか……これはインスピレーションでもオマージュでもパロディでもなく、単に受けそうな要素をパクって作った作品というレベルでさえなく、「ストーリーをそのまま転用・盗用した」というレベルなのでこれほどの騒ぎになっているというのが正確なところです。

また、これを制作・販売している「白粉屋さん(しろは)」が、決して「昨日今日TRPGシナリオを書いてみたくなったけど描き方が分からなくてとりあえず好きなゲームをシナリオにしてみた学生さん」みたいな人物ではなく、過去に多数のシナリオを発表している作者であることも驚きです。
私はCoCをまったく遊んでいないので他のシナリオがどのようなものだったかはわからないんですが、同作者のシナリオにはさまざまな場所でプレイされていて、募集を掛けるとすぐに多くのプレイヤーが集まる人気シナリオも含まれています。
しかし、これほど大々的に、明白に有名作品を盗用・剽窃してしまう作者さんとなると、過去の作品に対しても疑念が向けられるのは当然のところでしょう。単にFF14ほど有名ではない作品だったから気づかれていないだけで、別の作品もこのような悪質な剽窃・盗用の産物なのではないかと…
悪質な剽窃が露見した作者は、絶対にそういった視線を向けられます。絶対にです。これはまあ、当たり前です。かなり古い例になりますが、元モーニング娘。のメンバーの安倍なつみ氏は「フォトエッセイに掲載した自作の詩が有名アーティストの剽窃だった」という件によって、本人が作詞した楽曲の販売も取りやめになりましたね。
創作物は影響を与え合って発展するものです。あらゆるものに、完全なオリジナルなど存在しません。作品は意識的に、無意識的に、様々な作品や事件、人物の要素を取り入れて作られるものでしょう。しかし「他人の物をねこそぎ持っていって載せることしかできない”コピペ作業員”なのか、好きな作品の影響を受けて創作意欲を刺激された創作者なのか」というのは大きな違いです。
こと剽窃に関しては、創作者として長くやっていれば長くやっているほど、失うものは大きいでしょう。

TRPGで既存作品をもじったシナリオを遊ぶなんてよくあることだし、何が問題なのか分からない…という方もいると思います。
冒頭で私が「TRPGの枠を超えた」と書いたように、「El Colgado Avatara -エル・コルガド・アヴァターラ- (エルコル)」の剽窃は「好きなゲームの話をもじりたくて同志を集めて好きなシステムで遊んだ」といった形に収まる話ではなく、「コンテンツの剽窃によって損害を与えている」と見られても仕方がない状態になっています。
「色々なものに影響を受けたもの(PCやシナリオやアイテムやアイデアや言い回しなど)を持ち寄って楽しく遊ぶ」という、多くのTRPGでは広く許容される楽しみ方ではなく、「剽窃・盗用で構成したものをパッケージングし、CoC6版の同人シナリオというブランディングで話題性を確保しつつ発売する」という方法を選んだのは、制作者である白粉屋さん(しろは)ご本人なので、それによって起きる事態の責任は最後まで全うするべきでしょう。

現在、「白粉屋さん(しろは)」は「全作品の返金対応」を受け付けています。
11/11に声明を出して11/30締め切りとのことで、驚くべきことに「El Colgado Avatara -エル・コルガド・アヴァターラ- (エルコル)」を公開していた期間の36分の1というスピード感で締め切ってしまうという……

いやあ、すごいですね。

……すごいなあ。

結局すごいとしか感想が出てこないやつでした。
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レスポンス

ソーキュー
ソーキューぱむだ
2024/11/12 18:42[web全体で公開]
> 日記:剽窃シナリオの話
コメント失礼いたします。
事件の詳細を知らなかったので、わかりやすく纏めてくださってありがとうございます。
オリジナルシナリオを書く身として、他人事ではないなと恐怖を感じました。
私も他人の作品のギミックや劇中作品の引用をしたことがあるので……。
記憶が正しければ、引用が元作品全体の25%を超えなければ法律的にはギリギリ許されるとかどこかで聞いたような気はするのですが、許されるオマージュと許されないパクリの線引は結局受け手に委ねられるのかな、と思いました。
ミドリガニ
ミドリガニぱむだ
2024/11/12 18:29[web全体で公開]
> 日記:剽窃シナリオの話

ぱむださん、こんばんは。
いつもお世話さまです。
何と云う恐ろしいことを……。
ネタの卵どころか丸々とは。
正直、理解に苦しみます。
お賽銭入れ
お賽銭入れぱむだ
2024/11/12 13:30[web全体で公開]
> 日記:剽窃シナリオの話
知らない作者ですが、何故そんな愚かな行為に走ったのか、はなはだ理解できませんね。
もちろんまるパクリ自体論理的(しかも最新ストーリーのネタバレという収益にダイレクトに影響すること)に問題しかないのですが、社会的に一番の問題はそれで金銭を得ようとしていたことにありますね。
無償であったり、ごく身内内であれば大きな問題には発展しませんが、不特定多数にしかも850円というTRPGのシナリオではお高めの金額で販売した、というのが非常に悪質です。
これは版元も強く出てもいいんじゃないでしょうか。
そんなことをする人のシナリオは遊びたくないです。同じことを思う人も少なくないと思いますね。
セス・メイソン(CoC7PC名)
セス・メイソン(CoC7PC名)ぱむだ
2024/11/12 10:26[web全体で公開]
> 日記:剽窃シナリオの話
コメント失礼します。
ネタバレ、無断転載、転売全てに言えますけど、
元がはっきりしてる場合はある種の卸売契約のようなもので版権元が定率徴収、しないと罰則を与えるような法でもできないと、
この手の他人のふんどし案件はなくならんし、発覚しないもの勝ちになりそうですね。
アポリオン
アポリオンぱむだ
2024/11/12 10:20[web全体で公開]
> 日記:剽窃シナリオの話
おお……なんと言うことでしょう……私も他人事じゃないですな……今募集しているソドワキャンペーンが5つ目のff14シナリオになるんですが……販売しておらず、ネタバレあるから避けてと書いてはいるものの、ダメですかねえ……? 根底としては自分のPCがあのストーリーの当事者になったら?ff14がプレイ環境の都合上出来ない人も魅力が伝わればと思い、やってるわけなのですが……
ポール・ブリッツ
ポール・ブリッツぱむだ
2024/11/12 09:12[web全体で公開]
> 日記:剽窃シナリオの話
噂は聞いていたけど何が起こったのかまでは知りませんでしたが、そういうことだったんですか。CoCに置き換えたということは現代ものにしたわけでしょうから、著作権法ではどう判断されるかはわかりませんけど、さすがに道義的責任は問われますよね……。

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