Keiさんの日記 「改変しないで遊ぶシナリオ、あるいは、かつてのダンジョンのお話」

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Kei
Kei日記
2021/03/23 17:22[web全体で公開]
😶 改変しないで遊ぶシナリオ、あるいは、かつてのダンジョンのお話
ご機嫌よう。

わたくし歴だけは無駄に長いというか古いので、久しぶりの老害昔話シリーズです。いまの一部の?TRPGプレイヤーの間では、シナリオを改変せずに遊ぶことが好まれているらしい、というお話から思ったことです。

はるか大昔、人類がやっと火の起こし方を発見した頃には、インターネットはまだありませんでした。TRPGの流通自体もものすごく限られていましたし(当時は書籍流通ではありませんでした)、シナリオなんてほとんど流通していませんでした。TRPG専門のサポート雑誌もまだなく、他のゲームの記事に混じって、リプレイやシナリオ、マスタリング論などのページがわずかに存在する程度でした。TRPGについて得られる情報は、それだけでした。

その頃のTRPGがどんなだったかというと、ロードス島戦記の影響でファンタジー(というかCD&D)一強で、誰もがロードス島みたいなプレイをしたいと思っていたものでした。一部の意識高い系の人々は指輪物語を熱心に読んでいたりもしました。ファイティング・ファンタジーのようなゲームブックもTRPGを学ぶ題材となりました。

そこで当時のシナリオがどんなだったかというと、概ねダンジョンハック一択でした。背景世界などというものは、架空の地図一枚で表現されるようなものでした。世界と物語は分裂していました。というか、別の言い方をすると、世界というものは物語の都合で書かれた一枚の地図でした。その物語さえも、悪い魔法使いなり魔王なり何なりを倒すとか、その程度のものでしたし、シナリオとしての表現は、結局のところ、ダンジョンに潜ってモンスターを倒して宝物を得る、そのラスボスとして悪い魔法使いなり魔王なりがいるというもので、キャンペーンだって、例えば全10話のキャンペーンだとしたら、10個のダンジョンに潜って、そのどこかで伝説の剣とかの類を入手して、10個目にラスボスがいるという程度のものでした。

そう、結局のところ、ダンジョンシナリオ以外のシナリオがどんなものなのか想像できなかったんです。ルール表現も、概ねダンジョンでモンスターと戦うことを主眼としていました。でも、それでも十分に楽しかったです。たくさんのダンジョンを走破しました(道半ばでロストすることもたくさんありました)。ですが、やがて、グローランサやユルセルームといった素敵な世界に触れて、興味はダンジョンの外に移りました。

これは想像なのですが、「改変せずに遊んだ」通過シナリオとか回せるシナリオとかという概念は、わたくしたちがTRPG歴の初期に経験したダンジョンと同じものじゃないかしら。もちろん、ダンジョンの外がこんなに楽しいと気づくようなことが起こって欲しいです。けれど、ダンジョンをどんどん進化させる人がいてもいいし、その結果、わたくしが思うTRPGとはかけ離れたものになったとしても、それは、わたくしが選ばなかった可能性なんだな、という気持ちです。
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レスポンス

聖岳生馬
聖岳生馬Kei
2021/03/23 18:27[web全体で公開]
> 日記:改変しないで遊ぶシナリオ、あるいは、かつてのダンジョンのお話

「人類がやっと火の起こし方を発見した頃」にはTRPGはまだねぇですよっ!?

それはともかくw

「改変せずに遊んだ」とは言っていますが、かって我々が公式から購入し、また自作したシナリオからシナリオそのものも進歩しているようですし、ユーザーも進化していると感じます。

もちろん、今のTRPGのやり方が最終的な形ではないでしょうから、ここからもまたいろいろな遊び方が増えていくんじゃないかな~と思います。
鏑矢
鏑矢Kei
2021/03/23 18:07[web全体で公開]
> 日記:改変しないで遊ぶシナリオ、あるいは、かつてのダンジョンのお話
個人的には、改変しないで遊ぶ事を好む人たちって、TRPGのセッションをアニメや小説を読むようなものだとどこかで思ってるんだと思います。

てゆーか、そう感じました。

だから、回すとか、回せるとかそう言い方になるんですよね。
haruichikogenosuke21
haruichikogenosuke21Kei
2021/03/23 17:33[web全体で公開]
> 日記:改変しないで遊ぶシナリオ、あるいは、かつてのダンジョンのお話

コメント失礼します……。
あの、なんというか、こうぐっときまして。
文章も綺麗で読みやすいし、表現が的確で一気に遠い時代を思い出しました。
ダンジョンを走破。そうでしたね。探索はあっても、ダンジョンに潜るための準備してでしたね。なんだか懐かしい。
なんだかよくわからないけど、ぎゅうって、泣きそうになりました。
選ばなかった可能性って、いいですね。すごく、素敵です!

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