佐藤さんの日記
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日記一覧
佐藤 | |
2019/10/16 23:22[web全体で公開] |
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佐藤 | |
2019/10/14 17:51[web全体で公開] |
😶 地図:ランドール地方の全体図(想像)の修正版 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) 昨日、SW2.5のランドール地方の地図を作ったのですが、街の配置とか雑なので公式設定を踏まえて作り直しました。 参考にした公式設定は「SW2.5ルールブックⅢ」と「ソード・ワールド 蛮王の烙印 古の冒険者と捨てられた姫騎士(小説・著北沢先生)」です。 蛮王の烙印はランドール地方が舞台で、推定魔動機文明時代のライフルと作ったところの社名とか、かなりヤバいことやらかしている魔域(の噂)とか設定がポツポツ出てきたりします。買ってくださいね。私は昨日慌てて買って流しで読んだだけですけども。 小説なのでこれが今後のサプリに収録される設定とは限らないかもですが、続刊が出るならランドール地方に関してはひとまず小説で触れていく感じなんでしょうか。 その辺はさておき、地図作りに必要な設定を考察していきます。蛮王の烙印のネタバレも多少触れるのでご注意ください。 【修正版の地図】 地図:https://www.pixiv.net/artworks/77266276 修正版の地図はこちら。 修正内容の根拠に関しては下記の通り。といっても配置や地形等、完璧な公式設定ではないうえに色々ゴチャゴチャしてますが……。 【確定している情報】 ■ハルシカ商協国(交易都市ハルシカ) ■アビス海 2つともあえて書く必要も無い気がしますが一応。 ■種族別の分布 ルルブⅢで「中央を割る鮮血海沿岸に人族が多く暮らす」「山岳部や島嶼部に蛮族が多く潜んでいる傾向がある」と記されています。 公式の大陸地図みた感じ、「島嶼部って言うほど島がねえじゃん!?」とか言いたくなりますが、心の目で見るのです。ほら、ある……(幻覚) あるということで小さな島をいくつか書き足しておきます。オラッ、蛮族、その小さい島に豚小屋のごとく住むんだよッ!! 【完全には確定していない情報】 ■大河フラドー ルルブⅢ・ハルシカの項で「大陸の東西を分ける大河」「(ハルシカはフラドーを)跨ぐように存在」という事からハルシカの傍の大河で多分、間違いないとは思うのですが一応やや未確定情報に分類。 ■ランドール回廊 ルルブⅢのランドール地方の項で触れられている名称。これは「大陸中央を縦長に伸びるランドール地方全体」を指すかもしれないし、ハルシカ周辺の陸地を指すかもしれない。今回は後者を採用します。 ■鮮血海 ほぼほぼ確定ですが、鮮血海が「どこからどこ」を指すのかがやや未確定。ひょっとしたらハルシカ南方の内海の一部だけを指すかもしれないし、東西を隔てる海の部分全てかもしれない。 ルルブⅢ・大陸中央部の地勢と気候の項で「南から深く切れ込んだ鮮血海」と紹介されているので、今回は後者の方を採用します。 ■巨大な奈落の魔域とアンデッドの王 アンデッドの王とはおそらく、ルルブⅢの人物紹介に出てきている「蘇りし悪夢王」であり、彼の居城である髑髏城にある魔域が「巨大な魔域」なのでしょう。確定はしてないのでここに分類。 魔域の名前に関してはそれっぽいのあるので後述。 ■髑髏城とプリエヴィドザ山脈 悪夢王の根城である髑髏城はプリエヴィドザ山脈の奥深くにあるとされています。ランドール地方の2つの山脈のどっちかだとは思うのですが、未確定。 多分、西側だと思いますが推測理由に関しては前項の「魔域の名前」共々後述。 ■ヴェルカーの魔域 小説・蛮王の烙印にて紹介されているランドール地方の魔域。あくまで噂とはいえランドール地方全体に影響を及ぼしているクソヤバ魔域ですが、詳細に関しては小説の方を見てくださいね。 今回はこの「ヴェルカーの魔域=髑髏城にある魔域」と考えています。 理由としては多分同じランドール地方にあるだろうし、小説の主人公が魔動機文明末期及び<大破局>の頃の人物。悪夢王が<大破局>以前の知識を持って魔動機文明時代の強力な魔法使い(推定)という点もあるので。その答えに関しては蛮王の烙印にて書かれることでしょう多分。 で、重要なのが小説ではヴェルカーの魔域はランドール地方西部のどこかにあると語られている事です。「西部」&「悪夢王の根城はプリエヴィドザ山脈にある」という事でランドール地方西側の山脈=プリエヴィドザ山脈と考えています。 これは「ヴェルカーの魔域=髑髏城にある魔域」という仮定が正しくない場合、まったくの見当外れの話になるのですが、今回はひとまずそういう前提でいきます。 ■ギギナール ルルブⅢの人物紹介欄ので「帰還せし勇者王」の項で出てくる島の名前。「ランドール地方の中央、鮮血海に浮かぶ島ギギナール」と書かれています。 今回は「ギギナール島」として地図に書いておきます。 帰還せし勇者王の国名も多分、ギギナールとかそんな感じなんでしょうけどハッキリ言及していないので今回は放置。 ■シュヴード王国と首都クーダス ルルブⅢのサンプルシナリオに出てくる小国とその首都です。 特徴としては「国土狭い」「「蛮族領域に接している」「蛮族以外に2国と隣接している」というものです。ハッキリとした位置に関しては不明。「まあ山際に適当に追いやっとけばええやろ」の精神で西の方にテキトーに配置。かわいそう。 ■コロッサス シュヴード王国の辺境にある巨大な魔動兵器。サンプルシナリオの舞台。 ■デナーレ王国 蛮王の烙印に出てくる国。首都の名前は不明。ランドール東部中原の中心的な国家と紹介されているため、東側にある国家という事は確定。同じく小説に出てくる港湾都市ラハとの距離は「直行すれば徒歩で8日ほど」というもの。 複数の都市国家と同盟を結んでいる。あるいは結んでいた。現在は同盟を結んでいた国家をある程度、併呑しちゃってるかも。理由は小説を読んでね。 ■港湾都市ラハ 蛮王の烙印に出てくる都市。デナーレ王国所属の辺境自治領。元は独立小国家だったものの、現在はデナーレ王国の支配にある(元々、デナーレとは親戚関係) 特徴としては「辺境自治領=デナーレ王国の支配領域では他国と隣接している場所」「港があって海と隣接している」「鮮血海への玄関」「蛮族領域に隣接している(多分・詳細後述)」というもの。 蛮族領域に隣接しているとハッキリ書かれてはいないものの、ラハは蛮族に対する睨みを利かす位置にある都市らしいので、蛮族領域に隣接している可能性がある。ランドール地方の島嶼部に蛮族が潜んでいるという事はルルブでも書かれているので、それの事かもしれませんし陸伝いに蛮族の領域があるのかもしれません。その辺は未確定。 海沿いの街でデナーレ王国所属という事は東岸にあるって事で場所が限定され、ラハを起点に考えれば小説に出てくる都市や村の位置もわかりやすくなっている……はずです。 問題は「鮮血海の玄関」と言っても「鮮血海がどこからどこまで」かがハッキリしないという事。「デナーレ王国(多分首都)からラハまで直行すれば徒歩でも八日」ですがウルシラ地方図の距離目安が徒歩の場合だと考えると8日もあればランドール地方の半分以上を縦断できちゃいそうなぐらいなんですよね。 結局、迷って「東岸の南部」に置きました。実際はもっと南かもですが、あまり離れすぎると今度は小説作中に出てくる山側の都市との整合性で迷うので……。 8日の距離+ウルシラ地方図の距離目安の件を踏まえて考えると、デナーレ王国がランドール地方東部をほぼほぼ制圧している国家になっちゃいそうなので、あまり深く考えず、もうちょっと小さめの支配領域にすることに。 ちなみに小説には街並みや守りの剣事情の描写も一応書かれています。 ラハそのものとは限りませんが、ラハのある場所は<大破局>前から街があったっぽい事が作中で触れられています(お墓の件で) ■城塞都市カラガ 蛮王の烙印に出てくる都市国家。デナーレ所属ではない。むしろ仲が悪い。その理由に関しては作中で書かれているので小説読んでください。 特徴は「山の斜面を背に作られた町」「おそらく街の東側に山がある」といった感じ。街の正門は西側かな? 小説の描写的に南側も出入りできそうですが。 場所的にはランドール東部の山側なのですが、デナーレとラハの位置関係から考えるとアルフレイム大陸全体図の山だけではちょっと足りない感じなので、昨日の地図より山を増量してます。 小説には「カラガにある冒険者ギルドの名前」「守りの剣事情」「兵力」「どういう場所に作られた街か」「カラガの近くにあるもの」「サンダーブレイカー(!?)」なども書かれています。読んでね。何度宣伝してるんだろう私。 ちなみにカラガは色んな物資が港湾都市ラハ頼みだそうなんですけど、ラハってカラガと仲の悪いデナーレ所属なんですよね。それなのに交流が続いているのは「ラハが自治領だから」って事なのでしょう。あるいは山際にあるカラガでは鉱石採掘とかやってて、資源を得るためにデナーレ側も黙認しているとかなのかな? ■工業都市イル・レシネー 蛮王の烙印に出てくる都市国家。ただ、これは魔動機文明時代の都市であり、現代においては存在していない可能性が高い。場所は未確定です。そもそもランドール地方にあるとも限らない。 都市跡に新しい都市が出来ているとか、現在は遺跡になっていたりするかもしれません。<大破局>の影響でアルフレイム大陸とケルディオン大陸の地続きじゃなくなった辺り、海底に沈んで水棲蛮族の都市になっている可能性も? 跡地をテキトーなとこに生やしても良さそうですが、小説で今後出てきそうな主人公ゆかりの地なので今回はスルーしておきます。 ■ウェロー渓谷 蛮王の烙印に出てくる地名。位置は不明。 ■ランドール地方の鉄道? 蛮王の烙印で車と舗装道の件も含め、チラッと触れられている事。鉄道に関しては「ランドール地方にあった」とは書かれていませんが、ウルシラ地方と違ってあってもおかしくない場所かもですね。 □結論:公式地図を待て 蛮王の烙印にランドール地方事情がモリモリ生えているんですが、ややわからないところがあるので自信を持ってランドール地方地図をお出しする事は難しいです。 位置確定していないもの含めて、適当に描いたもので修正しておきます。どっちにしろ適当なんですが、今回の地図は適当度が1割ぐらい減じて捏造度が3割増しているので大丈夫です。大丈夫じゃない。ゴチャゴチャしてるし。 街の位置を描いていない地図も付属しているので、キミだけの最強ランドール地方地図を完成させてやってくれよな! 以上! 解散!
佐藤 | |
2019/10/13 16:50[web全体で公開] |
😶 地図:ランドール地方の全体図(想像) https://www.pixiv.net/artworks/77266276 アルフレイム大陸全体の地図等を参考に「ランドール地方の全体図」を描きました。街の配置はかなりいい加減なもの。 TRPGのセッション等にお使いください。必要に応じて加工・改変してください(特に街の配置とか) 殺伐としているアルフレイム大陸中央部ですが、この辺の正式なサプリとかリプレイはどういう形で来るんでしょうね。戦争物のボードゲームで来るのも面白そう。 今のところランドール関連のものだと「鮮血海」「ハルシカ商協国」「大河フラドー」「ギギナール(島)」「小国シュヴードと王都クーダス」「静かな巨兵亭」がありますが、「プリエヴィドザ山脈と髑髏城」などもランドール地方に含んでいいんでしょうか。 何にせよ公式設定がニョキニョキ生えるのが楽しみですね。個人的には大陸西部の方が気になりますが。
佐藤 | |
2019/10/12 22:16[web全体で公開] |
😊 初セッションを終えて 昨日は人生初のTRPGセッションでした。楽しかったですー。 GMはハリィさん。丁寧な進行でした。初心者の私でも参加しやすいよう、判定の振り方やRP時の話題振りをしてくださったので、非常に助かりました。 反省点と言えば私がぺちゃくちゃ喋りすぎたこと。無駄に喋り倒していた気がします。やれ依頼人のバナナマンが怪しい、やれ衛兵さんどこ、やれ依頼人さん衛兵さんにも話をした方が、とか。わりと困ったちゃんだったのでは……反省。 そんな感じで好き放題にやってたので、今度は自分が楽しむだけではなく皆さんに配慮しましょうね、と思いました。 神官で参加していて回復と魔物判定ぐらいしか出来ないんですが、一緒に参加していたお二人がとにかく敵の攻撃を避ける避ける! 攻撃される前に倒す倒す! 最後の最後に1度だけ敵の攻撃があたってなかったら、回復一度もしないただ突っ立ってる神官になるところでした。 まあ回復の機会なかったとしても楽しいのには変わりなかったでしょうし、先輩方が頼りがいあって助かりました。初心者なので全体の流れ見たかったので、落ち着いて見る事が出来ました。喋り倒してましたが。 他にもキャラは作りたいのですが、初TRPGの参加キャラなのでいつか再びルスュークルで参加する日が来るといいなぁ――と思いつつ、そのくせプリースト技能とか上げに走らず、セージ2にしちゃいました。RPのために。果たして彼女に再び出番は回ってくるのだろうか。
佐藤 | |
2019/10/06 20:07[web全体で公開] |
😶 初めてのTRPGに向けてキャラ作成(&願掛けの小説化) (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)■キャラクターシート https://trpgsession.click/character-detail.php?c=157023481948akak46ek&s=akak46ek ■初めてのTRPG 今度参加させていただくTRPG(SW2.5)で使う予定の賢神キルヒアのもやしプリースト。生死や依頼成功失敗はともかく、GMや他のプレイヤーさんに不快な思いをさせず、楽しい冒険にしようという願掛けも兼ねてPCの個人的な導入を小説化。 【初めての冒険】 「冒険に出る理由、ですか?」 「ああ、冒険者なら誰だって持っているもんだろ」 夜。焚き火越しに先輩冒険者に問われた。 身の上話になるので少し迷ったものの、話すべきだろう。この人には恩がある。ハーヴェスに向かおうとしていた私を護衛してくれているんだから。 「人探しです」 「嬢ちゃんと同じ、エルフか?」 「いえ、コボルドです」 「人じゃねえな……」 「私にとっては恩人なんですよ」 私は故郷を蛮族に滅ぼされました。この世界ではありふれた話ですが、昔の私にとって蛮族とは顕在化した恐怖に他なりませんでした。 「避難した先にも蛮族が……人里で働いているコボルドがいました。当時に私にとってはコボルドですら、憎悪と恐怖の対象でした」 恐怖を募らせる日々の中、私は病に倒れました。里に流行り病がやってきたのです。今も昔も丈夫とは言い難い身体だった私は、間近に迫る死の恐怖にも怯えました。 「その死の恐怖を癒やしてくれたのが、コボルドだったんです。あの子は私を献身的に看病してくれて、不安で泣いている私によく声をかけてくれました」 「なるほどね。……で、そいつは何でいなくなったんだ?」 「実は流行り病の原因、その子だったんです」 可愛いけどちょっと不衛生な子だったので、媒介になっていたわけです。もちろん本人に悪気は無かったものの、それで許されるわけもなく――。 「原因発覚後、里の人々を恐れて逃げてしまって」 「恩人、とは言い難くないか?」 「私にとっては恩人です。世界を……というか、認識を変えてくれた相手なので」 私は蛮族が大嫌いでした。ですが、あの子みたいに恐れずに済む相手がいる事を知り、蛮族に対しても知的好奇心がくすぐられていったのです。 人族の「敵」を知る事が、私の故郷のような場所を作らずに済む近道と信じて。 「せめて私はあの子の味方になってあげたくて、探しているんです」 「だからハーヴェスに向かってるのか。あそこにいる確証はあるのか?」 「まったく無いですね」 「おいおい……」 「最寄りの大都市がハーヴェスとグランゼールの二択だったので、ハーヴェスの方を選んだだけです。あの子の境遇を考えたら都会にいる可能性が高いので」 あの子はコボルド。か弱いので1人、森で生きていくのも難しい。 今まで人族の里で暮らしてきた子でもあるので、里から逃げた後も人族の集落に身を寄せざるを得ないでしょう。そして、そこで職を得たいと考えるはずです。 「生きていくには働いて、糧を得なければいけません。余所者が仕事を見つけるとしたら小さな村落ではなく、大都市の方が可能性は高いはずです」 「確かにハーヴェスは『一旗揚げよう』ってやってくる子は多いな。近頃は鉄道建設で労働者募集盛んだし、それ抜きにしても栄えている港町だ」 「大きな図書館もあると聞いています。いいですよね、図書館!」 「人探し目的なんだよな……? だが、都会か否かで言うと、グランゼールだって栄えているだろ? 雑多で混沌としたところもあるが、十分デカい国だ」 「ですが、人口はハーヴェスの方が上です」 人口が多ければ多いほど様々な需要があります。 職も……良いものがあるとは限りませんが、あの子は根は良いコボルドなので身なりさえキチンとしておけばどこでも受け入れてもらえるはずです。多分。 「あと、グランゼールの発展は目覚ましいのですが、急速な発展には歪みが付き物です。その歪みが治安に響いているはずです」 「確かに……あそこは冒険者だらけだから、元気が有り余っている奴が多いな」 「あの子、臆病な子なので治安の悪い場所……怖いところは出来るだけ避けるはずです。まあ、あくまで比較論ですけどね」 ハーヴェスの治安も諸手を上げて「良い」と言えるものでは無いはずです。 人口多いって事は、揉め事も多くなりがちでしょうし。 「嬢ちゃんの考えはわかったが、そのコボルド、そこまで考えて動く奴なのか?」 「そこはちょっと自信ないんですよね……」 ただ、あの子1人で遠くまでは行けないはずです。里からハーヴェスに向かう事すら、あの子にとっては大冒険。ひ弱な私も同じようなものですけどね。 そう言うと、冒険者さんはニヤリと笑って意地の悪い事を言いました。 「奴隷商に攫われていたら、それもわからんな」 「心配になる事を言わないでください。コボルド達がまとめて檻に入れられ、きゅ~んきゅ~んと鳴きながら売られていく……。ふつーに可愛らしい光景ですね」 「頭は大丈夫か? 実際、この辺にも奴隷商や人買はいるぞ。随分前の話ではあるが……俺も商人に丸め込まれて売り飛ばされかけた事もある」 先輩はダイケホーン出身だそうです。 少しでも家計を楽にするために家を出て、冒険者になって働きつつ仕送りする。そういうつもりで旅立った後、あやうく売り飛ばされかけたんだとか。 「大変でしたね。……ちなみに、この辺りで活動している奴隷商の取引先って、どこなのでしょうか? あの子が売られた可能性を考えると知りたいです」 「俺も専門家じゃねえから噂程度しか知らんぞ」 ハーヴェスについたら裏付けを取れよ、と前置きしつつ、教えてくれました。 「例えばランドール地方だ。俺が売られかけたのもそこだ。ハーヴェスで船に乗せられて、海路で……って感じだったみたいだな」 「戦争用の奴隷ですか。コボルドでも需要があるものですか?」 「あるさ。戦力として頼りなかろうと、雑用はあるからな。あるいは爆発物を抱えさせられて、敵陣に突っ込まされたりとか……そういう事も有り得る」 「…………」 「まあ……海経由のランドール交易路に関しては、ハーヴェス王国が厳しく目を光らせている……はずだ。王家がそこの奴隷貿易に一枚噛んでいるっていう噂も聞くが、今の王様はそういう事を嬉々としてやるタチには見えん。したたかにやっているかもしれんし、王以外が裏でやっている可能性も無きにしもあらず、だ」 人族奴隷の売買は禁じられている場所が多いです。が、需要はあるのでしょう。 それに、あの子はコボルドです。一応は蛮族という事もあり、人族よりは公式に流通する可能性が高いでしょう。……それこそ家畜扱いです。 「他には蛮族と取引している奴もいるな」 「命知らずですね」 「そう。だが、需要はあるんだろう。商人にとっちゃ、それが冒険する動機になりうる。同胞である人族を騙し、穢れようと、手段を選ばん奴もいるのさ」 恐ろしい話です。……が、個人的には興味をそそられるところもあります。 「奴隷商絡みの話になると、相当危険だ。首を突っ込むのは止めておきな」 「十分気をつけ探ります」 「わかってねえな。嬢ちゃんみたいな女エルフ、需要あるぞ、きっと」 「ひ弱なので肉体労働ではお役に立てませんよ。もやしっ子です」 「バカ、ひ弱でも出来る肉体労働はあるんだよ。ミノタウロス辺りに売っぱらわれたら悲惨だぞ。……まあ、ひ弱だとアイツらは好まないだろうが」 何にせよ、危ない橋を渡るのはやめろと言われました。 「そもそも冒険者になるのも止めておけ。向いてねえぞ、その体つきは。ハーヴェスについたら何か……普通の職でも探して、幸せになりな。神殿とかに頼ってさ」 「向いてない自覚はあるのですが、冒険者の方が色々都合が良さそうで……」 お金も必要です。働かないと生きていけないのはあの子だけではありません。 「わからんな。そこまで拘るような相手か? 自分の命を大事にしろよ」 「自分のやりたい事は大事にしていますよ」 その1つがあの子を探し、無事を確かめる事。 冒険者になりたい理由は他にもあります。 「冒険者になって、争いの火種……人族と蛮族の争いを止める事が出来たらいいな、と思っているんです。それも1つの理由です」 「大きくでたな、そりゃ」 「非現実的な目標ですけどね。人探しより格段に」 「冒険者になって蛮族と戦って……滅ぼされた故郷の復讐する、って事なのか」 それこそ向いてないだろ――と言いたげな顔で問われる。 私は首を横に振り、詳しく話す事にしました。 「滅ぼすのではなく、蛮族を知るためです。書物や口伝で得られる情報には限界があるので、自分の目と耳で彼らについて知っていきたいんです」 「知ってどうする」 「争いを止める方法を模索するんです。絶滅戦争以外で」 「それは……無理だろ? コボルドみたいな奴はともかく、フッドやボルグ……ドレイクみたいな野蛮な奴らは根絶やしにするしかない」 「根絶やしに出来ますか?」 「やるしかねえのさ。勝って勝って、駆除し続けるしかない」 「私達より遥かに高度な力を持つ魔動機文明。彼らでさえ出来なかったのに?」 「む……」 かなり「良いところ」までいったのは確かです。 良いところまでいっても蛮族を駆逐しきれず、<大破局>によって文明は崩壊。逆に人族の方が滅ぼされかねない状態にまで持っていかれました。 「魔動機文明時代の優位性ですら、覆されたんです。かつての技術を取り戻す事が出来たとしても、また同じ事が起こるだけかもしれません」 「…………」 「蛮族相手でも会話は可能です。何かしらの方法で『戦った方が損だ』とお互いに考える状態になれば、いまより戦争は減るのではないでしょうか」 「……減るかねぇ。蛮族共が平和を選ぶとは思えんよ」 「所詮、私の言は夢物語です。実際の戦場や本物の蛮族を深く知る冒険者さんから見たら……鼻で笑いたくなるような話でしょうね」 「まあな。だが、魔動機文明ですら根絶やしに失敗したのは事実だ」 先輩冒険者さんが焚き火に木の枝を足す。火の粉がちりちりと舞った。 「お花畑思考でも……いや、夢物語だからこそ、そういう考えが蛮族の中でも蔓延するようになりゃ、何かが変わるかもしれないな」 「そう、それです! 私は蛮族について知るだけではなく、蛮族に自分の考えを伝え、感化させていきたいとも考えているんです」 そのために奴隷になるのも手かもしれません。 蛮族領に売られ、向こうで私塾の先生になるとか……。まあ、農業用の奴隷にされるとか、食べられるとか、慰み者にされる可能性の方が高いでしょうけどね。 それでも今の世界情勢が変われば、私の故郷のように滅ぶ場所も減るはずです。 あの時は、本当に怖かった。最終的に助かったとはいえ、一時捕まり、地面に押さえつけられ、耳を半ばまで削がれた時の痛みと恐怖。未だに忘れられません。面白半分に削いだ者達が小躍りしつつ、耳で出来た首飾りを作っている光景も――。 「…………。蛮族知るために冒険者になるのは茨の道だぞ。冒険者は蛮族相手に殺し合うのも仕事だ。刃を向けられりゃ、話し合いで解決する可能性は低い」 「そうでしょうね。私も死にたくないので、戦います。相手を殺しながらも相手を知り、模索し、次の世代が少しでも幸せになればいいな、と思っています」 矛盾した考えですけどね。 交渉のテーブルにつくことすら出来ないかもしれない。初めての冒険で無残に死ぬかもしれない。だけど、それでも、ひとまずは冒険者になろうと思います。 「冒険しつつ、あの子も探し、蛮族を知り……勉強も続けます」 「勉強ねえ。大人になっても勉強続けるとか、俺にとっちゃ悪夢だ。熱心だな」 「勉強しないと交渉すら難しいんですよ。……実は、言語苦手で……」 「は?」 「私、会話は出来るのですが、蛮族汎用後の読文できな……いえ、苦手で」 「…………」 「…………」 「包んで言うが、頭は大丈夫か?」 「返す言葉もございません」