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😶 TRPGは対話である 今のところ、クトゥルフ神話TRPGしか持っていないから、クトゥルフ神話TRPGからの引用ばかりではあるが、これのイントロダクションにいい言葉が書いてある。 「TRPGは社交そのものである」。 ※「社交」とは…社会生活を営むために必要な、人と人とのつきあい(国語辞典より) 私はこの、「TRPGは社交そのものである」という言葉を何人も念頭に置いてTRPGをプレイするといいと思っている。 とはいっても、人によってはTRPGはイコール社交イコール人付き合いと言われてもそんなもん分かるか、と言ったところだろうか。何せ分かるわけが無いのだ、「人付き合い」が何たるかなど、はっきり分かってしっかりできる人間もなかなかいない。 人が何を感じ、何を思い、何を考え、どういった反応を返すか。それは誰にも分からない。だからこそ人付き合いというのは非常に難しい。個として全く別の人間が、互いにぶつかり合わない程度に付き合うなど、よく考えたら至難の業だ。それを私たちは日常的に紙一重で避けてどうにか過ごしているという状況なのだから、まったく素晴らしい。 それはともかくとして、そういう難しい技の上に成り立つのが「TRPG」なのだから、いつまでもあらゆる問題が起きては議論され尽くしているのは当然とも言える。 人付き合いなんて人類の永遠の課題のようなものだ。いくら正解があろうと、正解を的確にとっていける人間はあまりにも少ない。 ではその「TRPGそのもの」とすら言われるほど重要なのに、すこぶる難しい「社交」とは具体的に何をすればいいのかの話に移るが、私が今のところ思うに、「対話」である。 TRPGにおける問題。それを考える時に、私はまずそこに「対話」をテーマに置く。そうすると、不思議と大抵の場合、問題ははっきりしてくるのだ。 ひとまず大まかに「会話」と言ってもいいところを、ここではあえて「対話」とする。ここでの2つの言葉の意味は、とても重要な事だからだ。 「会話」とは、2人または数人の人が話をすること。 「対話」とは、向かい合って『対等の立場で』話をすること。 人付き合いはまず何にしても、「話す」ことから始まる。 顔をつき合わせているだけでは付き合いとは到底呼べないし、人付き合いと言える事柄には必ず「会話」がついてくる。 それでもって当然だが、その会話が上手くいかない場合、人付き合いには問題が起こる。 ここで諸氏に一度ご一考頂きたいが、これまでにTRPGの場面で起こった問題。 「対話」はそこにあっただろうか? その対話に何か問題はなかっただろうか? 例えばそこに、円滑な「対話」が置かれればその問題は起こり得たか? 例えば、プレイヤーの独断による問題行為。 例えば、ゲームマスターによるシナリオの「吟遊」化。理不尽な判定。 個による全員への、全員による個への「尊重」があった上で、尚且つ円滑な会話が置かれたなら、その問題はそもそも起こっただろうか。 それでも問題が起こってしまうことも、まぁ無くはないのかもしれない。 だが今まで出会ってきた問題で、互いがどちらも対等に会話出来たなら、もしかすれば避けられたのかもしれない問題も多かったと思うのだ。 「対話」とは、会話に加えて互いが対等な立場に立って話をすることだ。 TRPGにしてそれが意味することは、GM、PL、そのふたつの立場を丸ごとひっくるめてTRPGの「いちプレイヤーとして」扱う、という意味と同義である。 それが欠けると必ずセッションには問題が起こる。誰かが嫌な思いをし、誰かが何らかの被害を被るのである。 具体的にどういうことか、ここに例を置く。 PL1:それでは、PC1はPC2に対していきなり後ろからグーで殴ります。 PL2:えっ。 PL1:判定成功。奇襲で回避できませんよね?ダメージ出します KP:えっ。 正直こんなことがあると思いたくはない訳だが、残念なことに、似たような事例はいくつか確認されている。 一体これのどこが問題なのかと言うと、PL1の判断と行動にゲームキーパーとPL2が大いに困惑してしまっているということである。 さらに厳密に言うと、PL1は独断での宣言、ならびにKPを通さないダイス判定をしている。ここが問題だ。 それにより拒否する間もなく被害を被ったPL2と、止める間もなかったKPは大いに困ってしまったわけである。 ではその具体例に、「対話」を置いてみることにする。 PL1:PC1は乱暴なキャラクターなので、PC2に対していきなり後ろからグーで殴りたいんですが。 PL2:いや。嫌ですね。やめてください。 KP:許可できません。却下します。 PL1:うーん。じゃあ、「今はやめておくか」と思い断念します これもだいぶ無理があるというか、一言目の発言の時点でいささか赤信号だとは思うが、前の例に比べて大きな問題は起きていない。 一応、PL1は他者に意見を求める余地を残し、ことが起きる前にその意見をしっかりと聞き入れたからである。 要するに、自分一人で決める前に、他者に「聞いた」のである。 確かに、PL1にとってPC1は自分の動かすキャラクターであり、他の誰のものでもない。現実なら人を殴る前に「殴りたいので殴っていいですか」など、わざわざ聞かない。 だが、これはゲームだ。しかも、全員が参加し、それぞれ尊重されるべき個々のキャラクターを持っていたり役割を持っている。 データ上だけでのやり取りとはいえ、その向こうには必ず「個人」がいる。それが、TRPGなのだ。 PVPや対立型と呼ばれるシステムならいざ知らず、協力型のTRPGで独断専行を行うと他者を巻き込んでしまう。 個人のプレイ方針はともあれ、そこに「対話」と「尊重」を置くだけでこれだけ違う。 これが、「社交」だ。これが、TRPGだ。私は最近こう思えてならない。
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