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😶 ようやく夏が終わりましたの ご機嫌よう。 今年のワルシャワ蜂起がやっと終わりましたの。 かつて、ある戦争を前にした人が「ユーモアこそが人間の叡智であり文化の低力である」と言いました。今回の蜂起でも、最初のうちこそユーモラスなシーンが描かれましたわ。けれどやっぱり、大砲を打つ側には何の想像力もいらないし、撃たれた側には苦しみしか残りませんでしたの。砲弾の落ちる現場にユーモアの出る幕なんてありませんでしたの。 叡智が足りないからなのかしら? 同じ目的を目指していても、だからこそ人は対立し衝突するものでしたの。とりわけ苦境の中にあるときは。 誰もが大切なものを失い、やがては憎しみの対象が身内になったりもしましたの。 青灰のスカウト、人間の業と罪が詰まったほんとうにすごいゲームで、ご一緒くださった方に感謝しかございません。来年のワルシャワ蜂起もぜひ……。 ■ ある灰偵団員の手記 7月2日、日曜日 灰偵団に入ってからの仲間とラジオ放送局いかずちを聞いた。 ゼタは同い年の女の子。愛国心に溢れるというか、相当にドイツを憎んでるのは僕にもよくわかった。 エレクトリクは一つ上。ちょっと疲れた感じの奴だが悪いやつではなさそうだと最初は思った。 とにかくラジオを聴いた僕らは偽造新聞を広めようとしたんだけど、途中でみんなはぐれてしまった。ゼタは勝手に夜に出歩くし、僕はめちゃくちゃおっかないドイツ兵に睨まれた。あの犬! くそ、完全にびびったし情けない。 帰ってきたらエレクトリクのやつがずっとブーツを洗ってた。なんだこいつ。 7月27日、木曜日 ラジオを聴いていたら突然ゼタが叫んで出ていった。心配になって後を追ったんだけど、まさか昨日のあのおっかない犬を連れたドイツ兵に出くわすとは思わなかった。犬をけしかけられたけど、必死だったので何がどうなったのかよくわからない。とにかくゼタを引っ張って逃げた。 それで、見てしまった。くそっ今思い出しても気分が悪い。ゼタもとにかくショックを受けたみたいだった。 エレクトリクも大変だったらしい。詳しくは教えてくれなかったけど、様子を見ればわかる。 8月1日、火曜日 ついにこの時が来た! 僕たちは重要な書類を部隊に届けることになった。ちらっと中身を見たんだけど、大人たちが集めたドイツ軍の情報が書いてあるっぽいし、これを見た部隊長もワルシャワの解放はもうすぐだって言ってた。 あのおっかない犬を連れたドイツ兵にまた出会したけれど、もうあんな犬なんか怖くないんだ。途中で出会った耳を怪我した少年がドイツ軍に連れて行かれたけど、彼だって解放される。 8月2日、水曜日 オホタ地区のバリケード設置を手伝って郵便を届けることになった。 エレクトリクとゼタは調子よく捌いていたようだが、僕はオホタ分からなくて、変な奴らに絡まれてしまった。同じポーランド人なのに、なんであいつらは僕らの邪魔をするんだろう。 結局バリケードの設置もできなかったな。 それにしても、エレクトリクのやつはなんであんなに怒ってんだ? 8月4日、金曜日 ジョリボルシェ地区に武器を届けることになった。 エレクトリクとゼタは昨日までは上手くやってると思ってたけど突然喧嘩しだすし、原因になったマリアとかいう女が悪いと僕も思うけど、ミッション中に何してんだ。 あと、バルバカンを占拠してるドイツ人に狙撃された時はびびった。エレクトリクの機転で難を逃れたけど危なかった。 8月7日、月曜日 野戦病院の手伝い。この地区で動いている送水ポンプは一つだけで、僕たちは水を運ぶことになったんだけど、送水ポンプは狙撃兵に狙われているし、エレクトリクのやつは固まるし大変だった。 なんとかして狙撃兵の注意を別に引きつけようと国内軍にお願いしたけれど聞いてもらえなかったので、僕がなんとかしないと。 ドイツ兵の奴らに火炎瓶を投げつけて地下水道に逃げたりと頑張ったつもりだけど、帰ってみたら全然水は手に入れられていなかったし、送水ポンプも破壊されたらしい。 8月14日、月曜日 ユリアが死んだ。僕のせいだ。 9月2日、土曜日 兄貴は国内軍の兵士と地下水道に隠れていた。 あの女が僕らをドイツに売り渡した。 地下水道の秘密を売り渡しやがった。 僕はあの犬をやっつけたが、兄貴がどうなったかは分からない。 ゼタは冷静ぶっていたが、もう家族がいないからあんな態度を取れるんだ。僕の兄貴はまだ生きてるんだ。 9月10日、日曜日 みんな死んでった。 瓦礫の下敷きになる前、兄貴の姿を見た気がした。 日付なし(他の証言により、終戦直後、1945年の夏だと判明している) 兄貴の結婚式だった。幸せそうだった。 エレクトリクが来てくれた。ゼタは来なかった。 カノジョが投げたブーケはエレクトリクの手に収まったけど、あいつ困ったような顔してた。 以前の僕だったら、なんで喜ばないんだって怒ってただろうけど、いまはあいつの気持ちがわかる。 僕たちはあの戦争で色々なものを失った。 幸せを想像しようとしても死んでいった仲間のことを思い出してしまうし、いまでもドイツ人が憎い。 ■ プレイヤー視点での注釈(これらは全て実際のプレイを通じて描かれました) この戦いが始まる前、エレクトリクには想いを寄せる相手がいました。けれど、彼の身には、そういう思いを手放さざるを得ないことが起こりました。 ゼタはドイツ人を追い払えると信じていました。けれど、この戦争を通じて、彼女はもう希望を持つことができなくなりました。 わたくしのキャラクターの身に起こったことといえば。こんなふうに成長したくなんかなかった、それに尽きます。 プレイにご参加くださった皆さま、わたくしの「にいちゃん」を生き残らせてくれてありがとう。にいちゃんを幸せにしてくれてありがとう。このお話には一つだけ希望が残りました。キャラクターたちがこの結末を通して見るものが、決して何も希望ではないとしても。
> 日記:ようやく夏が終わりましたの 日記手法は。 破壊力ありますね。
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