鴉山 響一さんの日記 「移動速度の実際(D&D5eにおける野外行軍の場合)」

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鴉山 響一
鴉山 響一日記
2023/04/18 19:42[web全体で公開]
😶 移動速度の実際(D&D5eにおける野外行軍の場合)
いつも地味な考察ですが、今回はD&D5eにおける移動速度の話です。

PHB掲載のPCに認められている一般的なヒューマノイドの場合、1ターンにおける移動速度は30フィート(約9メートル)です(ドワーフ、ハーフリング、ノームは25フィート)。

以前も取り上げました選択ルールの「荷重」を採用した場合、筋力の5倍ポンドを超える(「荷重状態」)と移動速度が10フィート落ち、筋力の10倍を超える「重荷重」状態となると同様に20フィート減少します。

一般装備であまり考えずに旅に出た場合、往々にありがちなのが「荷重」状態になっているのを失念しているとです。まあ、失念していなくてもやむを得ずというのもままあります。食料やたいまつなどの必需品はどうしても嵩張るし重たいです。

ヒューマンやエルフと言った基本移動力が30フィートのPCが「荷重」状態になった場合は、20フィートとなります。PHBに記載が見つけられなかったのですが、常識的にパーティで最も遅いキャラクタに、その集団の移動は自動的に倣うのも忘れてはなりません。

野外での移動についてはP.182に記載があります。それによると、毎分(つまり10ラウンド分)300フィート移動できるものは1時間当たり3マイル、1日当たり24マイルの移動が可能とのことです。

さて、前回、私の主宰するキャンペーンでパーティの面々のうち、数人は「荷重」状態で20フィート相当でした。となると、毎時間2マイル、一日18マイルの行軍速度となります。

その上で、彼らは不案内な森の中に分け入ってオーク族の残党狩りを敢行することとなりました。森の中は植生が強く、「移動困難地形」と私は判定しました。「移動困難地形」では倍の移動コストが掛かります。

となると、彼らの森での捜索活動は1日当たり9マイルの行軍となります。しかしそれは何事もなかった場合の話でして、戦闘を行ったり、休息などでピバーグをしたり、あるいは方向感覚を見失い、彷徨った場合には更に遅れることとなります。

この森はそれほど大きな規模ではないのですが、果たして一行は目的を果たし、そして無事に帰還することができるのでしょうか。

冒険行の脅威はなにも強大なドラゴンやジャイアントだけではありません。人はみな疲れもするし、睡眠も必要だし、腹も減ります。

このような重箱の隅的なチマチマ感は、エピック・ファンタジーの範疇ではないとのご指摘もあるでしょう。もっともなことだと思います。しかし私は、特に低レベルでの冒険においてはこれらのルール的運用を通じて、それぞれのPCたちに生きている実感を感じていただきたいと思いもするのです。

みなさんはどうお考えになりますか?
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レスポンス

用心棒
用心棒鴉山 響一
2023/04/18 22:18[web全体で公開]
> 日記:移動速度の実際(D&D5eにおける野外行軍の場合)

赤箱、青箱の頃は、全てが手計算だったこともあり、エンカンブランスルールは現実的には対応困難でした。とはいえ、ダンジョンで得たものを、それこそ銅貨一枚残らず持ち帰るのはあまりにも、でしたので、感覚的に制限かけてましたね。

今は、その気になれば各PCの荷重を即座に計算し直せる環境もあるので、「生きている感」のためには、ルールとして適切に使ったほうが良い気がします。
Ququ
Ququ鴉山 響一
2023/04/18 20:27[web全体で公開]
> 日記:移動速度の実際(D&D5eにおける野外行軍の場合)
良いと思いますが、ゲームのテンポも大切ですね。うまく両立して楽しいセッションができると素敵です。
時速3.5km程ですが、森の深さにも寄りますが道なき道であるなら当然ですね。

一方で、荷重や移動速度、移動による達成感を味わいたいならそれ専門のルールで遊ぼうと言うのもありだと思います。D&Dでなくても良くなりますね。
食料の運搬や荷運び、道迷いや移動による疲労などを使って旅歩き自体を楽しむことができるゲームもありますよ。オススメです。
ポール・ブリッツ
ポール・ブリッツ鴉山 響一
2023/04/18 19:49[web全体で公開]
> 日記:移動速度の実際(D&D5eにおける野外行軍の場合)
こだわって当然だと思います。何事にもルーズなわたしはめんどくさくなってしまって省略しがちですが(^^;)
あと、ロールマスターかなにかの記事で「ザックには戦闘時に投げ捨てて身軽になりやすいという利点がある」というのも読んだことがあるので、移動距離を厳密に再現してゲームするときには考えられる戦術の一つかな、と思います。(もっともそういうことをすると戦闘で気が付かなくなっている間に盗んでいく何者かもいるので油断はできませんが……)

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