ポール・ブリッツさんの日記 「黎明期の人間にとっての黎明期」

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ポール・ブリッツ
ポール・ブリッツ日記
2020/11/27 14:37[web全体で公開]
😶 黎明期の人間にとっての黎明期
日記を眺めていたら、黎明期、という言葉が出てきたので、少し自分がRPGをやりだしたときのことを考えてみる。

最初に「ロールプレイングゲーム」という言葉に触れたのは、1983年のころになるか。当時はアニメゲームを主体としたシミュレーションゲームのブームのまっただ中だった。小学生だった自分もそういう大人向けのゲームがやりたくて、お小遣いを握りしめてデパートのおもちゃ売り場へ行き、あれやこれやを眺めていたのだが、中に変な物があった。普通は箱の裏にヘックスが刻まれた地図をバーンと乗せるのに、そのゲームにはそれがないのである。「エンタープライズ」というそのゲームには、「これはロールプレイングゲームという新しいゲームです」と書いてあった。「ロールプレイングゲーム」とはなにかはわからなかったが、興味は引かれた。しかし、当時のわたしはスタートレックなどには興味がなかったため、小学生らしく、バンダイのシミュレーションゲーム「モスラ対ゴジラ」を買ってその場は帰ったのだった。

それがRPGにずぶずぶにハマるようになった明確な転換点は、1984年である。最初の侵略はパソコンゲームからだった。「ザ・ブラックオニキス」「ドラゴンスレイヤー」「ハイドライド」というキラーソフトはともかく、ゲームセンターの筐体としては過去に前例のない「ドルアーガの塔」という恐るべき作品が出て、ゲームファンの目はパソコン雑誌に釘付けになった。だが、その段階までは、RPGは高価な機械を持つ人間だけが遊ぶことを許された物であり、小中学生には無理な世界ではあった。

そんな時に貧乏人に対する福音として登場したのが、スティーブ・ジャクソンとイアン・リビングストンによるゲームブック「火吹山の魔法使い」である。そのときにプレイした人間たちの興奮ぶりについては21世紀のいま話しても信じてもらえまい。わずか480円で、実に中身の濃いダンジョン探索ができるこの本は信じられないことだろうがベストセラーとなった。

これらのキラータイトルのせいで、翌1985年は、どんなクソゲーであろうとも、「RPG」とついてればゲームソフトは飛ぶように売れ、本屋には即席で作ったことがまるわかりの「ゲームブック」が山のように平積みされたのである。

だが、TRPGに対する敷居はまだかなり高いものだった。ネットなんて存在しない時代である。ゲームブックの参考文献や、パソコン雑誌の記事などで読んでも、どこで買えばいいのかわからない。その上ゲームは高いのだ。

そんな中、ふたたび貧乏人に対する救世主となったのが、スティーブ・ジャクソンによるRPG「ファイティング・ファンタジー」であった。わずか480円で入手できて、かつ中身の濃く初心者GMに対する配慮も満点なシナリオが載ったこの本で興奮しながら遊んだ学生たちにより、大々的なTRPGブームに火がついた。

SW無印の発売は、その4年後である。ので、自分としてはTRPGとしては「新参者」みたいな感じがいまでもしている。だから、自分にとっての「黎明期」は、1983年以前に、「エンタープライズ」や「スタークエスト」「ローズ・トゥ・ロード」「トラベラー」なんかで遊んでいたコアな人たちと、海外からゲームを取り寄せて遊んでいた、もっとコアな人たちの時代なのだが……。まあ年寄りの思い出話だな……。
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レスポンス

wpeke
wpekeポール・ブリッツ
2020/11/27 17:29[web全体で公開]
> 日記:黎明期の人間にとっての黎明期
ツクダの「エンタープライズ」「クラッシャージョウ」とほぼ同時にバンダイが「スペースコブラ」を出していました。これは確かタクティクスでRPGを紹介していた高梨先生がデザインされていて、シナリオはゲームブック形式のパラグラフ選択式で、紙製のキャラコマ マップがブック形式で開いて場面毎のシーンにあわせた場面になる アイテムも(紙製ですが)切り取っての個別シートになる といういまのTRPGのビギナーBOXの先駆け的な内容でした。 当時はまったく評価されてませんでしたが先見の明のある作品だったと思います。 お笑いネタとして クリスタルボーイ(ビーム兵器が効かないライバル)が出てきたら迷わずパイソン とかはありましたがw
橘翼
橘翼ポール・ブリッツ
2020/11/27 17:13[web全体で公開]
> 日記:黎明期の人間にとっての黎明期
当時私は、高校生でした。最初にやったのはエンタープライズかクラッシャージョーだったと思うけど、本格的にはじめたのはトラベラーからかな。ホビージャパン主催のウォーゲームのコンベンションが大阪梅田で開かれた日、コンベンション終わりにゲーマー達がずらずら連なってキディーランドに行って、トラベラーを買ってました。。。(丁度トラベラーの発売直後だったと思います。)
 あと、大きな影響を受けたのが雑誌シミュレイターに掲載されたローズトウロードのリプレイ「七つの祭壇」。これを読んではじめTRPGの遊び方を本格的に理解したかな。
 FFシリーズは最初の何冊かは遊びましたが、自分の中では「ルーンクエストとトラベラーがあれば、それ以外のゲームなんていらない!」と思っていたので、それほどのめりこみませんでした。(ただ、タイタン世界は気に入っていたので「タイタン」と「モンスター辞典」は何度も読み返しましたが。。
KAL666
KAL666ポール・ブリッツ
2020/11/27 14:44[web全体で公開]
> 日記:黎明期の人間にとっての黎明期
懐かしい名前がズラリw
ハイドライドは3からやってた。たしかmsxだったかな。
ドラゴンスレイヤーはPCエンジンのドラゴンスレイヤー英雄伝説だったなぁ。
セリオス王子は今もキラキラ輝いてるw
あとアクションが強くなるけど、音楽も含めてイースは最高傑作。
あの頃のファルコムは1つ1つの製品が強かった。

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