愛善院さんの日記

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日記一覧

愛善院
愛善院日記
2020/07/23 06:55[web全体で公開]
😰 挑戦を辞めたものたちへ
努力、友情、勝利。

私はこれを
「逆説的に少年誌が売れる理由」
と呼んでいる。

要するに、
現実的には、なかなか起こらないから
妄想にせよ想像にせよ
それを購入してまで渇望するのであろう、と。

これは、少年誌に対する
非難ではない。否定でもない。
むしろ大いなる讃歌だ。


我ら人間は、
中途半端にして努力を放棄しやすい。
ともすれば勤勉であることも忘れる。
勝利を獲得するはずであったものごとに
挑戦すらしなくなる。

ときとして、無自覚。
目的と手段が入れ替わって満足していたり、
お粗末な方法をとって結論を見失っていたり、
深い挫折によって
挑戦の資格すらないと諦めていたり。


挑戦を辞めたものたちは
「中二的だ」と嗤うことが多い。

挑戦を辞めたものたちは
「すでに自分の分際を知ってしまった」からだ。

中二的であるとは、悪く言えば
「自分の程度を知らない」
ニュートラルにいえば
「まだ自分がいかなるものか理解が及んでいない」
良く言えば
「何者にでもなれる状態」
でもある。



オンセンの、
さまざまな人の『自己紹介』を読むと
見えてくる「少年誌が売れる理由」がある。

どう客観的にみても
ベテランに類する人々のなかで
「初心者である」と自認する人々が
どれほど多いことか。
(一定確率で「変人である」
と自覚している人々も少なくない)

こういう人々は
時として本当にストイックに
努力を続けているし
自己研鑽も絶やさない
実に敬愛する人柄であることが多い。

問題は
自他ともに認めるベテラン。
いうなれば
「すでに自分の分際を知ってしまった」状態。


深く深く、自戒の念を置く。
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愛善院
愛善院日記
2020/07/22 00:09[web全体で公開]
😍 蟷螂窺蝉
前回の日記をとある友人に見せて

「これ、なんだっけ?」
と尋ねると、

わりと即答で

「【トーローキセン】だな。
窺うのあとにレ点打って
【かまきり、蝉をうかがう】
たぶん荘子」

と返ってきた。

友人に天才が多いと
調べものが楽で助かる。


故事成語、四字熟語の世界だが、
落語の世界のようでもある。
………
とある男が、ある日、空に珍しい鳥をみつけ
弓矢をとって追いかけた。
鳥は枝にとまり、何を見ているものか
まばたきひとつしない。

その視線を追うと、かまきりがいた。
どうやらこれを仕留めようというらしい。

かまきりのほうはどうだ、とみれば、
己の運命を知らず、蝉を獲物にしようと構えている。

ふと我に返り、男は「自分は鳥を狙っているが
果たして自分は誰かに狙われているか?」と
あたりを見回すと、

「これっ! おらの畠さ、
なーしてズケズケ入ってるだぁ!」
と、怒られてしまった。
………


前回の日記は、
これらの登場人物(鳥獣)を
全部「私」にすげ替えたものらしく
なんとはなしに「胡蝶の夢」にも通じそうだ。

ふと思い出したが、
ハンター試験のナンバープレート争奪戦(だいぶ古い)、
ヒソカとゴンの一幕も、この四字熟語だろう。

ニュアンスはだいぶ変わるが
「好奇心は猫をころす」
にも通じる部分があるし、

ミクロコスモスはマクロコスモス
好事、魔多し

己に利することを期待するとき
己に害のあることはかなり身近かもしれない。



針の穴に糸を通そうと集中するときに
アイロンかけっぱなしなのをわすれるようなもの。



さて、これをテーマかモチーフにして
いざシナリオを。
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愛善院
愛善院日記
2020/07/20 23:31[web全体で公開]
😍 クローゼット
シナリオの種になりそうなのでメモ。


とあるキューブが
頭の中に住む私の頭に
こつりと降ってくる。

チョコレートだと思ってかじっても、
コンソメスープの素だと思ってお湯を注いでも、
サイコロだと思って転がしても、

それは、私の頭の中に住む私が
およそ自由闊達に
「操作」だとか「処理」だとかを行うものだ。

そのキューブが、それなりに興味深く、
何かをすれば、劇的な何かが起こるかもしれない
という、興奮と好奇心が失われなければ。



私は、頭の中の私のやるそれを
可能なかぎり冷静に観察していかねばならない
と、自分自身に課している。

なぜなら、そのキューブが
「いかなる作用でいかなるものになるのか」
私にも、頭の中の私にも、
判断がつきかねるからだ。


ある時、頭の中の私は、
そのキューブに何を思ったのか
クリップのような針金を使って、
グリグリと隙間をあけた。

たちどころに、そのキューブは、
クローゼットとなって、ガタガタと震え出す。

私の頭の中の私は、
それを見て、慎重に、その扉をこじあけた。

中から、小さな私が

覚悟を決めて、頭の中の私の鼻っ面に飛びかかる。

と、見る間に、
頭の中の私は、
その小さな私をするりと飲み込んでしまった。

こうして、
私の頭の中の私は、その頭の中に
小さな私をすまわせたのだ。


私は、いま、クローゼットの中にいる。
息をころして。
泣き出しそうな
悲鳴をあげそうな苦しみを隠すために。

きっと、外に出れば、
私は私の想像する限りの大きな私に
吸い込まれてしまうのだろう。

そして、その大きな私は
何事もなかったように、私となるのだろう。

そして、やはり、
苦しみを押し隠すクローゼットがあって……。


私は、頭の中の私の頭の中の私の……
延々と連なった私に操作される観察者で

同時に、
私の想像する限り大きな私を飲み込んだ
さらに大きな私の……
延々と連なった
私に観察される矮小な頭の中の者でもある。

……
とあるキューブが、
どこかの次元の私の頭の上に落ちてくる……。
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愛善院
愛善院日記
2020/07/20 13:50[web全体で公開]
😰 になさんKPデビュー「人魚姫の物語」
作:御菓子屋さま「人魚姫の物語」CoC
7月19日
前14:00~18:00
後21:00~23:20

KP になさん
PL 愛善院含む3人


私はその日は午前中に
RP実践の講義をひとこま。

講習のあと
RP側の脳がテンションマックスになったまま

いざ
になさんのセッションへと。

さて、になさんといえば。
PLとして、人間として
非常に敷居が低いというか
誰とでもわりとすぐに親しくなれる
TRPGで最も重要な才能を持つ人のひとりだ、
と、私は認識しているし、
また、あちこちの卓などで、
優秀なPLであるとの評価が高い。

そのようなかたの初KPを
PLとして体験できたのは極めて貴重であった。



が、



前述のとおり、
RP大全開の私は、
初キーパーに対して、
えりくび掴んでガクガク揺さぶるような
あこぎなプレイをしまくる、という

冷静になってみると
かなり恥ずべきことをやったように思う。


その一方で。

やっぱり、になさんはすごかったと思う。

初キーパーのときに言いづらい
「そこからはもう情報でません」とか
「ダメです」が
きちんとやれた、というだけでも
かなりスゴいことであると思うが

圧巻は
「~~してみようか」という匂わせロールに対して
シナリオに無理のないように
(もしそうなったらこう対処しよう)
を、シナリオ進行させながら
きちんと構築されていたことにある。

このあたり、
経験をきちんと積んだKPであっても
思考停止してしまう、ということは普通にある。

本来のシナリオの展開も
そつなく無理なくグダることなく進めているし、
おそらく相当に
シナリオの読み込みが深いものと感じられた。

素晴らしいKPの誕生に立ち会えたことに
非常な喜びを感じるとともに。


KPならびにPL各位、
ほんっとに、RPやりすぎてごめんなさい(-人-;)
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愛善院
愛善院日記
2020/07/17 01:02[web全体で公開]
😟 描写酔い、説明酔い
かつての日記記事にも幾度か話題としているが

「描写」と「説明」の区別。


国語教育ではこれをなかなかやらないので
明確な区別をつけられる日本語話者は少ない。

もっとも
TRPGの人々にとっては
自然と身につけている人も多い。

描写と説明の差とは、

簡便には
情報の質の差であろう。

もっといえば
「情」と「報」の差であろう。



社会資源論だったか
「あいまいもっこり」という言葉がある。

日本語にとっても得意分野のようで
逆に事実の断定がなかなか下手くそである。

ひさびさにこれについて新人研修したら
目がまわるほど『逆』のことをやる教え子が多く
脳が雑巾絞りにさらされた気分になった。
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愛善院
愛善院日記
2020/07/16 00:27[web全体で公開]
🤔 みおとさんアレンジ「ゆくさき」CoC
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)
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愛善院
愛善院日記
2020/07/14 02:08[web全体で公開]
😊 歌論
https://trpgsession.click/topic-detail.php?i=topic159420315337

去る7月7日のセッション、短歌を詠みまくったのだが

私のPCは俳句が専門の連歌俳諧師
私自身PLは、実は漢詩と川柳のが得意

短歌って、難しくね?
と、思いながらも、
勉強の機会、即興の練習の機会と思い
鼻息を荒くして挑んでしまった。

「歌論」とか偉そうに書いているが
要するに自分自身の歌を振り返ってみようという記事だ。


短歌は正岡子規以後の57577の定型詩をいう。

それ以前は和歌と分類するのだが
この他にも細分があって、
……とにかくややこしい。

57577ならば
とりあえず広義の『短歌』に含めてよい、
という感じになっているようなので、
とりあえずそのリズムさえ守れれば
形式としては『短歌』である。

私の実力というやつは、いわゆる「詩心」がなく
「技巧」に走りまくるものなので

和歌のワザである
掛詞、縁語、歌枕、枕言葉、とか
短歌のワザである
句またがり、三行詩、とか
そういうのを使い回して誤魔化すものが多い。

が、
これをやると、このセッションでは
「次の人がチェインしづらくなる」
という致命的な傷を残すことになるので
ほとんどの小技を封印することとなる。

とはいえ、
【雨ふって  乙姫彦星 会えたかな?  わからないまま  立ちさる君は】
と「猿」が戦闘対象であったために結句に
「立ちサル」などと多少の掛けちょんを含ませたり
ということはやったりしている。

さて、この歌は「わからないまま」を
前のかた(エバンさん)の歌からもらって詠んだもの。

答えの出ない問題は数多いのだが、
連歌の風情として「恋」めかしいものが続いたため
それに沿わせたほうがそこでは似つかわしかろうと

そこで絵柄をリアルからもってきて
「雨」の雰囲気にしたときに
七夕だ、夜空のカップルにはありがたくない状態

その雨の下でデートしていて
一生懸命話しかけて
一緒にいて楽しいと思ってもらおうと奮闘する人物と
ロマンチックのあてが外れて帰ってしまう人物と
を想像した。

どうやら、その雨の下での恋愛模様も、
未来がわからないままのようだ。


戦闘の攻撃としての短歌でないところでは
同音異義の掛詞づくしで遊んでみたものがある。

【キカザルに 攻撃効かざる 場合には ちょっと洋服 着飾るよぼく】
敵の一体に「キカザル」という名前の猿がいたために
何の気なしにやってみた。

着飾ってどうするんだ!?
サルサでも踊るのか?←


もうひとつ、戦闘中に。
【戦術の センスは風の ごとくなり 時に疾風  当たるが末路】
これは敵のHPの残量から
ほぼ戦闘終了であろうと
次のかた(ぞうさん)の詠みやすさは度外視して作ったもの。

前のかたから引き継いだのは「当たるが末路」
すさまじく良いパスを受けとり、
これがトドメの一撃となったので
文字通り、ということになった。

これは本当にうまくいって、
思い付いて40秒くらいであろうか。
「疾風」もハマった。

また、私のPCが「扇子」を携帯している、という
微妙な掛詞にもなっている。

チェインを狙う場合は
この「ごとくなり」などは邪魔でしかないのだが
(初句~ニ句で直喩にしなくては成り立たなくなるため)
倒せる確信があったので即詠みのままでいいや
と、なんの推敲もしなかったやつである。


推敲不足といえば
【旅をして 猿に会ったよ 私たち バナナ欲しがる したっぱ猿が】

なぜ最後を「主語止め」にしたのか、
いまいち自分のなかでもよくわからない。

「立ち去る君は」の場合は、
カメラワークとして、
去って行ったのを目で追いかけている悲しい風情のため
だったのだが、この「猿が」の場合は何だろう。

とりあえず言い訳をするならば
味方側のNPCが敵の標的になっており
その敵に対して「このしたっぱ猿が!!」
という煽りであったのかもなぁ
という気は、しないでもない。

前から引き継いだのは「私たち」


ともかく、前の歌から句を引き継ぐので
ある種の伝言ゲームのように
内容も前の歌にひきづられていることがある。
【曇り空   絶望の色  君の無言  平和の希望   無限に白し】

引き継いだのは「絶望の色」
前の歌が
難しいテストの解答が白紙、その色は絶望の色だ。
という意味の歌と解釈して
「白が絶望」というのは小気味がよいなぁと

でも「白」だと、こんなものも白いのではなかろうか、
と、体言(名詞)づくしにしてみた。

まず絵柄は、曇り。泣き出しそうな空という風情。
それはひょっとすると絶望の色なのかもしれない。
でも、君の無言の意味は?
なんで答えてくれないのだろう?
そこにある空白の時間は、どういうものだろう?
もしかして、そこには
平和の希望が隠されている?
それも、ひょっとしたら、考えている以上に
真っ白で、これから描くものなのかな?

3句を字余りにして破調させたのは
リズムを崩したときに4句が「!?」となる
効果を狙ったものであるが、
6音の句は、極めてチェインにむかない。

次の詠み手が
引き継ぐ句を選択できるスキル持ちであるので
そこに甘えた、という部分がある。

体言づくしは
行間を読ませる歌になってしまうので
読者側に解釈の面倒さを押し付けることになる。

ただ、これも言い訳すると
敵の一体に「イワザル」がいて
終始「無言」であったから、
折り込みしたかったのである。


縛りがある上で詠む歌は
普段使っていない頭を使うので難儀だ。

ただ、このセッションの序盤、戦闘ではなく
会話の流れで「もしこうだったら」と
仕事の依頼者に啖呵をきった短歌がある←

【飢え果てて  ピーマンひとつ   だけ盗む   16歳の   苦き涙は】
本当は盗みたかったわけじゃない、
という思いだけを『描写』した歌である。

ピーマンと苦いが縁語。

これは私の友人の話で、
上京して間もなく金があまりにもなくて
ひもじい思いをしながら、夜間高校に通ったという話を
ふと思い出して詠んだ。

しかも、そのピーマンを
公園のトイレにこもって、
生でガリガリかじったそうだ。



短歌の中には、作り手そのものの人間が住まう。
その人間がいかなるものを美とし苦とするのか。

自分自身を見つめ直すと、
自分自身の歌が陳腐であれ
その瞬間に感じ取っていたものが
改めて理解できるような気がするのである。
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愛善院
愛善院日記
2020/07/13 15:25[web全体で公開]
😟 魔女狩り
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)
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愛善院
愛善院日記
2020/07/12 18:19[web全体で公開]
😆 この子らに、どう答える(63)
ロールプレイの練習用
ダイスを振らないクトゥルフ風
「あなたなら。どうする」の63番をまわした。

ギミックは「ファミチキください」
テーマは「文化」


さすがに5~6年前のネタ、
KPの頭の回転が追い付いていない。

よくこんなの回してたなあ、
と、自分自身に感心する。

シナリオを進行させる裏で
別の処理を2つ(時々3つ)並行させるので
歳をとった頭では、いまいち
マルチタスクに無理が生じていた。

PLのみなさまには、進展が滞ったときに
うまいことヒントをだせないKPで申し訳ない。


が。
終わってみれば、今回も、
とてつもなくすばらしいロールプレイを
たくさん見せていただいた。

PLとしてどう考え
PCとしてどう表現するか

きちんとひとりひとりが
考えながら演ってくれているのが伝わり
心の底がとてもあつくなった。


よきPCが、今後もますますご活躍され
よきセッションをうみだしますように。

(各PC,PLのご紹介は後日の日記で)
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愛善院
愛善院日記
2020/07/10 16:30[web全体で公開]
😆 あなたなら???
https://trpgsession.click/session-detail.php?s=159435239400pentagram3672

ダイスだけに頼らない。
信念と情熱をもったキャラならば
GMに「ダイス判定どうぞ」と
言わせる隙も与えない
(GMを困らせるRPを推奨するものではありません)

https://trpgsession.click/session-detail.php?s=159435239400pentagram3672


あなたなら、そのとき、
どう考え、どう行動するでしょうか?
また、それは、なぜでしょうか?

ロールプレイングだけを重視する
超分岐型シナリオ
7/12  13:00より開催します。
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