Nサブさんの日記
Nサブさんが書いた日記の一覧を閲覧できます。
日記一覧
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2023/12/20 05:01[web全体で公開] |
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2023/10/25 01:04[web全体で公開] |
😶 新作TRPGマモノスクランブル! マモスク楽しい! システムも超軽くていいですね。 マジでGMの負担全然なくて笑っちゃった。公式サイトさんからココフォルームとかも公開されているので、興味のある方は、ぜひぜひ。 自作シナリオ「春と修羅」 ●あらすじ PC①……あなたは孤児です。 身寄りのないあなたは、とある家族に引き取られました。 優しい養父と、同じ境遇である血のつながらない妹たちに迎えられ、少しずつ孤独を忘れていきました。 しかしある日、地下室にて偶然、自分たちが、凄惨な研究の実験台に集められていたことを知ります。 次に気が付いた時には、<トウキョウ>の路地裏に座り込み、妹の形見を握りしめていました。 路地の形に切り取られた<トウキョウ>の空を見上げながら、あなたは誓います。 復讐を為すための<クラン>を自分が結成し、必ずや、しかるべき報いを与えてやる、と。 ●以下、推奨ハンドアウト。好きなものを選択し、キャラシ作成の後、提出のこと。 ※けもみみ狂いPL向けに書き下ろしたため、シナリオNPCは全てけもみみである ①被検体 ②元スタッフ ③顧客 ④救助 PC①……世間から「ペットショップ」と隠語で呼ばれている実験場の、元販売品。 この世の終わりのような飼育環境から逃亡を果たした。 あなたは様々な出会いを経験し、「クラン」を結成後、再びトウキョウに戻ってきた。 PC②……ペットショップの元スタッフ。グロ耐性はなくても構わない。 あなたは神をも恐れぬ実験に恐れをなし、内部告発を行った。 店の前の街路樹に除草剤を巻くのが日課だった。 PC③……ペットショップの利用者。あるいは元利用者。 あなたは世間一般のペット程度では到底満足できない。そのため、闇ショップをよく利用していた。 太い客ではあったのだが、マナーが最悪だったため、つい先日店を出禁にされた。 あなたは復讐のため、都合の良い<クラン)を探している。 PC④……空手部員 あなたの友達が行方不明になった。 どうやら件のペットショップの近くで、腹筋ぼこぼこにパンチくらって連れ込まれた、という目撃情報があるようなのだが……? 今冬上映予定(上映済み)
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2022/08/13 23:40[web全体で公開] |
😶 フタリソウサ新規サプリ! ( ˘⊖˘).。oO(うほほーい新品のインクの匂い) →この本には、シナリオが22本入っています。 いずれも、探偵と助手が様々なシチュエーションで活躍するお話です。 ( ˘⊖˘).。oO(おお~…ええやん。気に入ったわ) →時には時代を超え、国を超え、巨大生物と対峙することもあるでしょう。 →巨大生物と対峙することも、 →巨大生物と →時には ( ˘⊖˘).。oO(……???) サプリ四冊目発売! シナリオ集でいうと二つ目で、やっぱり人気凄いですね、フタリソウサ。 残念ながら、イカレポンチの探偵さんと、チンピラ助手さんのコンビは載ってませんでした。シナリオ集なんだから仕方ないんですけど、ちょっと寂しい。 まー面白いもんね、フタリソウサ。 まず「知っていたカード」の存在がでかくて、この発明が、わりとこのTRPGミステリーっていう分野のブレイクスルーだと常々思ってるんですけど、なんか専門誌で取り上げられてたりしないんですかね。ボードゲーム的というか、マーダーミステリー系ならわりとありそうなんですけどね、知っていたカード。これをTRPGでやるなら、ぼやっと輪郭でだいたい把握させておいて、重要な部分はダイスで判定させる。 一回遊んだシナリオでも、助手さんでまた遊びやすいのもいいところ。再通過は諸説あるかもしれない。 あらすじざざっと読んだ感じ、大正時代とか中世の魔女狩り時代のやつとか面白そうです。 追加クラスだと、「悪魔的な探偵」と助手さんの「利用される人」がいい感じですね。息継ぎなしで海底の貝を食べるRPもできそうですよ! ……ピロリン♪ 何かが足元に転がって来た。 なんとそれは、新発売された「フタリソウサシナリオブック 探偵フェスティバル」だった。 ※ワァオー
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2022/04/08 04:11[web全体で公開] |
😶 ゆうこやシナリオ 「すすき野原に亡霊怪談」 ※昔話ルール使用 とある御山の大将殿は、化生のかしらで大の怪談好き。 年に一度の満月の夜、近隣諸国の変化たちを集めては、“本物”の百物語を執り行う……のだとか。 あなたも今宵招かれた変化のひとりだ。 ただし、友人の「人間」を連れている。 「おや、嬉しいねェ。アタシの生れの祝いに“御馳走”までやってきてくれるなんてねェ。 蠟燭の火を、途中でうっかり吹き消しちまわないよう、気を付けないとねぇ……」 真っ赤な舌がべろりと伸びた。 ・PL①~③ あなたは変化だ。 友人の戯作者(洒落本、滑稽本、人情本などの総称)に泣いて拝み倒され、渋々、人間風情を真夜中の山へ連れてきた。 しかし、頭から丸呑みにでもされてはさすがに興ざめのため、怪談の邪魔をしないようあくまでこっそりと、語り手に特技を宣言していき、無事に朝まで耐え忍ぼう。 ・PL④? あなたは変化だ。PL①~③の誰かと重複する。これは公開されない。 親分の信奉者であるあなたは、怪しげな噂にダボハゼの如く目のない友人を、バースデーケーキにすることにした。今のところ、首尾よく計画は進んでいるが……? 他のPLたちとは逆に、こっそり親分を手助けしよう。なんでさっさと告げ口しないのかというと、他のふたりと喧嘩になったら困るから。 ・車座で怪談は実にゆうこやっぽいし、その中で、ひとりだけが本物の変化が紛れ込んでいた……というのも、ゆうこや的で面白そうだなというところからシナリオがスタート。 PLが3人並んで「この中に……本物が潜んでいる!」ってやっても全然ばればれなので、逆に人間を隠そう、ということになった。今思ったけど、一人用のタイマンシナリオなら、これはこれでありだと思う。今度やろう。 シナリオ的には、怪談を語りながら、親分が、猛烈に眠たくなる甘い息を吐いたり、燃え盛る業火の幻影を見せてきたりする。それらを「あらそんな子供騙しな」としれっとした表情でやりすごしながら、隣に座ってる友人が「うひゃあ!」とぼろを出すのを何とか取り繕っていく想定。 派手に動くと術が露見するため、一度に一つ、判定をしていこう。ただし、隣の隣で他の変化がなにをしてるのかはよくわからないので、うっかりバッティングしてしまうと、かえって目立ってしまうのかも……? オチがまだ降りてこないんですが、たぶん失敗すると本当に食われてしまいそうなのが思案のしどころさん。 でも昔話的にはしゃれこうべがいっこ増えてもやむなし? ( ˘⊖˘).。oO(こいつほのぼのあったかTRPGの意味わかってんのか?)
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2022/03/31 05:15[web全体で公開] |
😶 スタリィドール新規追加サプリ! ※ 名前の略称で困ることで(僕の中で)お馴染みスタリィドール。 今回のサプリメント「双子座の小径」これはいいぞ! 何がいいってまず表紙のイラストがいい。これよ。 ※ まず「従者ルール」が面白そうだなって思ってですね。なにせ可愛くて。 元々スタリィドールって基本PL4人想定のルールらしくて、でもそれって人数的に中々厳しい……。ということで今回の、半分の2人で遊べるようにするルール。いつも星人形たちのそばにあって、知らず知らず意思を持ち動き始めた、自分だけのイマジナリーフレンドと共に冒険をするみたいです。 無機物ならだいたいなんでもよくって、従者も基本的にはPCと同様に管轄。以前に二重人格PCやったからわかるんですけど、案外一人二役って楽しいんですよね、という知見はぜひ広まってほしいところさんです。 特に戦闘がガラっと変わるので、「人数少ないスタリィドール」というよりは「従者を採用する時のルール」という感じ。 人間だけが神の名を唱える。常に我々のそばに寄り添うその名を想像力(イマジネーション)という。 あとあと、残り半分の誕生石! 基本るるぶでは、12のうちの6つだけの登場でしたが、今回で残りもようよう参加! 誰かから誕生日いつ?って聞かれたら、とりあえず4月って言っておけばダイヤモンド貰える可能性があるって本当? 今回で紹介される宝石の共通点のひとつが、「近年まで性質を誤解されていた」というのも面白いなと思いました。遥か古代の文献にさえ登場するトパーズは、実はペリドットと混同が著しく、神秘という薄膜を化学が引きはがし始めた近年になってようやく両社がはっきり区分され始めたんですって。 人々に混同されていた、性質が似ている宝石は、性格やスキルの傾向が似ているようです。いいですよね。 個人的にはアメジスト実装が嬉しいですね。象徴する1つには酒神ディオニュソス、狂気と絢爛の石!(宝石性格表4:デリカシーがない、5:口が軽い) 金銀妖瞳についても。(←古のオタクは、これにヘテロクロミアってルビ振らないでも読める) そんな星人形たちの瞳の宝石はもちろん、彼らの核であり、ハートであり、本質であるわけなんですが、ある日突然、宝石が「変質」してしまうことがあるのだそう。 この「オッドアイ」ルールを適応すると、特定のペナルティと共に、両者のステータス数値の弱い部分を適用しなければならないのですが、代わりに特技選択が二倍になるとか。 ぺ……ペルソナ……っ!(謎のカットイン) ルール解釈的には、これで同一PCでの宝石の変更(=戦闘スキルの変更など)が可能になったんでしょうか。 変質、という点が、個人的に大変いろいろ捗る要素で、フレーバー大好き人間だもんで、「これは私がお姉さまの遺志を継いだ証なのです……!」とかやれそうで、大変いいですね。元からそうだったわけじゃなくって、何かしらあったんだ、という設定をこしらえやすいこの、ね。 とかく新ルールが……新ルールが多い……!(※1) ※1(同様のセリフが冒頭リプレイにある) あとは「出張ルール」ですか。これは、最初の主人はPCたちそれぞれ別にいて、シナリオ上、新しい職場へお手伝いにやってきた、ということを設定するもの。これで元々の所属組織が違っても(≒別卓のPCでも)遊びやすくなりそう。 GM目線でいうと、基本るるぶだと、人形師(作成者)← →星人形(目覚めたばかり)という設定で始まるのは、エモの塊ではあったんだけど、結構気をつかうというか、ハードル高い人もいると思う。とくに野良とかではね。 このルールなら、「初めまして! 今日からしばらくよろしくお願いしますね!」で進むからやりやすい。 もちろん所属組織も増えていて、学校、商店街、騎士団が新たに設定できる。人形騎士団……インモラルな響きだ……(恍惚) つーか、なによりかにより、学校ですよ!学校!! つまり、制服!(もちろん指定がない学校、というのでもOKみたい) 今にして思えば、かつてランドセルを背負った時、初めての制服で首元が窮屈だなと感じた時、どうして誰も彼もがあんなにはしゃいでいたのか、理解できなかった。そして今ならわかる。あんなに小さかったのに、精一杯大人びた表情をして、ほっぺたも赤くして、そりゃあ、はしゃぎたくもなるさ! まー、そんな大昔のこと全然覚えてないけど! ネクタイ! ソックス! 短パン!! セクシー……えろい。 んほー! たまんねえぜ。 基本るるぶで登場していた、セブンス・ヘブンとか(メイドさん所属)祝福の鐘とか(星人形による劇団)、面白そうなのにまだ全然遊んだことなかったからね。 全員揃って同じ所属からスタートしなきゃだったから、なかなか……。 だもんで、今回の「出向」という形は、かなりやりやすそうでいいんじゃないかしらん。思うわけよね。「みんなでこうやろうよ」じゃなくて、あくまで「うちの子はこういう所属でこんな理由で出向してきました!」だから超簡単。これは日本人的な譲り合いすぎちゃう気持ちのやつかな。それともTRPG民が本質的に我が強いのか。 ( ˘⊖˘).。oO(総評としては……各所属の一日スケジュール表が可愛いのでみんな読んでくれ……頼む…) ※以下、前の卓の小リプレイです。 卓が始まる前に、上がったキャラシだけでリプレイを書き、 卓が終わった後に、本編で一ミリもなかった場面を書く男。 ※ 「……だって僕は、自分を信じているから!」 青緑色の瞳を不機嫌そうに瞬かせながら、ヴィオレットは行儀悪くソファーに腰かけていた。 テレビの画面では、冷たい夜空の中で、主人公と悪の親玉が二人っきりで対峙している。 ひとりが叫ぶ。……諦めなければ、夢はいつか、必ず叶う! 食い入るようにアニメを見つめながら、その実、ヴィオレットはまったく違うものを見ていた。 横目にちらっと伺えば、キッチンで忙しなく働いている、彼女の兄妹がよく見える。知らない誰かと話しながら、とても楽しそうにお菓子を作っているのだ。 ほんの少しの勇気があれば、「わたしも混ぜて」と言えたのに。 命を帯びた宝石の、作り物の胸の中には、どんなに一生懸命探しても、そんな気持ちは欠片も見つからなかった。 その視線は当然、魔女にはバレバレだった。 おぉい、ヴィオレットやぁい。わざとらしい猫なで声。 テレビはまた今度にしようや。おやつにしよう。お腹空いてないかェ? ……それを聞いて、ヴィオレットは小さく縮こまった。お尻の下と、背中のふわふわのクッションに埋もれるように、両腕それぞれに抱えた猫とサメのぬいぐるみをぎゅぅぅっと抱きしめて。ヴィオレットはもごもご呟いた。……いらない。一人でいい。放っておいて。 心の中ではわかっている。嘘つきの言葉だって。悪い子だ。でも、それですぐにお返事できるのなら、最初からできていた。嘘をつくのはとても嫌な気持ちになったけど、自分が嘘をついたって認めるのは、さらにとてつもないエネルギーが必要だった。 カチカチ、カチコチ。床を爪が叩く音がした。 ネジ巻き細工の寝坊助フクロウが、わざわざヴィオレットの隣までやってくると、再びそこで、ぐーすか船をこぎ出す。普段は工房の壁の鳩時計の中で、年がら年中寝ているくせに。大方、彼女のふわふわクッションが目当てなのだろう。 ヴィオレットがそいつのおでこを「ちょんちょん」と突っつくと、フクロウは驚いた顔をして飛び上がった。 ……キッチンに立つココットは、ヴィオレットが思っていたほど、楽しく手を動かしていたわけではなかった。 彼女のきょうだいが気になって、しばしば、手を止め、隣の魔女を見上げる。料理が好きだがのんびり屋で、よく眠そうな表情だ、とひとに言われるココットだが、その時は珍しく、はっきりと不満を顔に出していた。けれども、魔女は(大丈夫だよ)といわんばかりに片目をつむるだけだったのだ。 ココットたちの作成者は、ダンテという名の人形師であり、この魔女は主人の古いツテなのだそうだ。どう見ても成人未満の少女にしか見えないのだが、見かけによらず、これで結構長生きらしい。年の功ではないが、料理を教わるにはうってつけですよ、と勧める主人の言葉に頷いたココットだったが(彼は年下の星人形たちにも敬語で接する)、決断を早まったかな、という気持ちがむくむくと湧いてくるのを抑えきれないでいた。 いいかぁ、ココットちゃんや。料理は……化学! んで、台所は最古の錬金術の舞台だったのサ。 豪快に笑いながら、明らかに「科学」とは程遠い目分量でどばどばと調味料を入れている。先日仲良くなった星人形の友達が見れば、人当たりの良い彼の笑顔もひきつること間違いなしだと思った。なにしろ彼は元が最先端科学技術の結晶なのだから。 ……お? お嬢ちゃんや、疑ってんなァ? ……安心しなって、何百年生きてると思ってる! 明らかにそれは虚偽だと確信した。 彼女の、長く伸びた金髪はぼさぼさで、手入れもあんまりされてなくて鳥の巣のようだったし、爪はココットの倍ぐらい長くて色とりどりに艶々と光っていたし、極めつけに、主人のこの工房へとやってきた時には、キセルをぷかぷか吹かしていたのだから。 じとーっとした目で内心そう評価を下しているココットに、あくまで魔女は屈託なく笑いかける。 背丈も星人形のココットとほとんど変わらないぐらいなのに、可愛らしく微笑む少女のその瞳の色だけは、びっくりするぐらいに陰影が薄く見えたのだった。 清潔を死守しなさいという言葉は、ココットが、最初の冒険の時に、成り行きで師事した医者の先生から口を酸っぱくして言われたことだった。 それは臨時の野戦病院での出来事で、仲良くなった友達はその時に戦った堕落した星人形で、科学の徒である彼の心の世界では、機械人形たちが戦い、傷つき、ココットはネジと歯車が散乱する病院の中で清潔を保つことの意味を問う暇もなく、ごしごしと強く石鹸で手を洗っていた。 まだまだ、忘れることなんてできそうにないぐらい、鮮明に覚えている。 魔女の瞳は、その時の先生の目と少し似ていた。 (そういえばココットさん、本編では、ペストマスクのお医者さまにご教示されてましたね。あのシーン好きなんですよ) ( ˘⊖˘).。oO(じゃあ何でそこ書かないんだこいつ……?)
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2022/02/06 07:40[web全体で公開] |
😶 スカイノーツリプレイ ※ ヴィクトリアシティは、その日の朝、空から色鮮やかな音楽が降ってきて、一日中鳴りやまなかった。 上質な弦楽器の調べが、メインストリートに並ぶ屋根の上でリズミカルに跳ね返り、身を震わせて歌い踊った。 アーリャは、真っ赤な薔薇を襟元から覗かせて、兄の袖を何度も機嫌よく引っ張った。(こんなご機嫌な日には、みんなでランチにするべきよ。そうじゃない?)そんなふうに懇願した。 痩身で優しい顔立ちをした兄と、小柄で薔薇のような妹。彼らは似ていない兄妹だった。小ぶりな眼鏡の奥で、オスカーは難色を示した。 「僕らはただの仕事仲間だよ」 とはいえ、彼らはあまり似ていない兄妹だったが、彼が、妹の言葉に反対するはずがなかった。彼の愛すべき妹の哀願は、厳密には「言葉」ではないのだが……。 ぴぃぃ……という、空を引き裂くような、甲高く激しい笛の音。一度でも息継ぎをしたなら、ぷつんとそこで音色が途切れて、全ての旋律が台無しになってしまいそうな、雄大で繊細な調べだった。 「きれーな曲だよね。朝からずっと鳴ってるけど」 ほややんとした調子で、エルネスティーネが言った。潰した芋をもぐもぐと頬張りながら、「誰かの結婚式とかかな」と付け足す。 「盛大だねぇ。お金もたっぷり掛かってそうだなー」 「ふん。金持ちはやつことが違うね……!」 「あの船かなぁ?」 エルネスティーネが、発着場にゆっくりと降りていく飛行船を行儀悪くナイフで指し示したが、あいにく、モーブはそれに返事をする余裕がなかった。アーリャに片手を引かれ、指の間に、フォークを次々刺していくゲームを強制させられている。握った片方の手のぬくもりと、もう片方の痛みの予感とで、彼の表情はぐんにゃりと歪んでいた。やがて、アーリャが目を閉じて、声もなく歌を歌い始めた時に(それでもフォークは止めないでいるのに)、彼の悲鳴は最高潮に達した。 アーリャの唇から零れるのは、愛の歌。初恋のときめき。片思いのせつなさ。彼女は声なく歌い上げる。それは燃え上がる恋の歌。そして憎しみの歌……。 小さな舞踏会を中断したのは、やつれた花嫁だった。 彼女は、飛行士たちに空を飛ぶことを依頼し、彼らはそれを受けた。 そして物語の幕があがった……。
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2022/02/05 07:03[web全体で公開] |
😶 「ゆうこや四谷怪談、お岩さまのお家事情の巻」 ・ゆうこや昔話ルール仕様 ・あらすじ とあるお武家さまのお屋敷にて、夜な夜な、人の言い争う騒ぎが途絶えないのだそう。 その剣幕たるや凄まじいもので、地獄の一丁目でもこうはならないだろうと人々は言い合います。そして、いつしか家裡に悪しき気が集まって、よくないものを引き寄せてしまっているのだとか。なんと暗がりに怪異や鬼火が飛ぶのを見たものさえいるのだそう。 元をただせば、お武家屋敷の一人娘、大層美人と評判だったお岩さま。 彼女が病に伏して後、体の方こそ癒えたけれども、顔中に恐ろしい傷跡が残ってしまったのだとか。 そのお岩さまが、何の間違いか、婿を取ってしまった。 それがいけなかったのだと、人々は口々に噂しておりました。 人間、眉目秀麗なるは仏の覚えもめでたく、反対に、形相に難ありはその心根も穢れているためなのだ、とか。 お岩なる妻はまさにこれ、気性激しく気位は高く、烈火の如き女性なり。夜な夜な、入り婿の夫、伊右衛門を苛め抜く、のだとか。 いいや、そもそも、入り婿の伊右衛門こそが此度の騒ぎの火種である、のだとか。 はじめから、悪しき魂胆ありて、あの貧相のお岩さまと婚姻したのだとか。まんまと沿うておいて、夜な夜な、女遊びにばくち打ち、お家の乗っ取りを企んでおったのだとか。お岩さまの父親をその手にかけたのもこの伊右衛門なのだ、とか。 ・PC①~③ ・あなたは変化だ。 昔、お岩さまにご飯を頂戴したことがあり、以来、度々彼女の家へ遊びに行っている。彼女が、正しいと信じていることを決して曲げない、頑固だが立派なひとだと知っている。 病んでから塞ぎがちなのを心配していたが、婿を貰い、あたたかな家庭を築いたのを見て、一安心していた。その筈だったけれど……。 ・あなたは変化だ。 昔、伊右衛門さまに、とある荒事の助太刀をして頂いたことがあり、以来、度々親交がある。彼が、無口で不愛想だが、暮らしている同じ貧乏長屋の子供たちに何くれとなく世話を焼くような、優しい気質であると知っている。 この度お岩さまに婿入りがなり、これで漸く武士の務めが果たせると、生真面目な表情であなたに報告してくれた。その筈だったけれど……。 ・あなたは変化だ。 二人の共通の知り合いであり、婚礼の仲人を務めた。普段から化けて人里に降りたりしているのかもしれない。 亡くなったお岩さまの御父上の古い友人でもあり、岩を頼む、と生前に伝えられていた。 ( ˘⊖˘).。oO(ゆうこや無限に遊びたいんだけど時間がない。やることが……やることが多い……! 労働はクソや) . (ガラテア準制限に緩和してください。おながいします)
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2022/01/24 00:58[web全体で公開] |
😶 スタリィドールリプレイ 未成年飲酒ちゃんすき ※ 「なんでもいいから、何か雰囲気のあるBGMをかけなさい」 赤い瞳の人形が、優雅な仕草で指を鳴らす。その言葉に、そばに控えた人形師が「かしこまりました」と応じた。 暖かい室内に、盲目のシンガーの異国の歌声がゆるゆると響き渡り始めた。 (My smiling face, with laughter on the side, You’d say no doubt I get passion every night……) (……僕の笑顔と笑い声。君には、情熱に燃えているんだって聞こえるのかな) ルビーの加護を持つ星人形(スタリィドール)、カベルネは、満足げに頷いた。 ヒトの造形を忠実に彫り込んだ、というよりは、老若男女問わず、親しみやすい愛らしさを念頭に形作られた鼻梁。腰まで届くようなブロンドの髪は、邪魔にならないように背中で一くくりにされている。勝ち気で、陽気な色の乗ったその表情が、さっとテーブルの上を走った。 「さっ、エルモ、どうぞ座って。 マスター、最初のナプキンを取りなさい」 そう言って、気品のある所作で、テーブルの対面と、自らの造物主へ手をのべた。 「はい。我が魔王さま」 人形師は、地味な、目立たない家来の服装に身を包み、ごくごく平凡な見てくれをしていた。テーブルナプキンを折りたたむと、彼女の首元に慣れた様子で巻き付けた。 「まずはワインを。昨日のやつがいいわ」 「はい。我が魔王さま」 「ピーマンは入れちゃダメだからね」 「はい、我が魔王さま。 お言葉ですが、貴方さまは、いわば我々の象徴。下々は貴方さまを見て、それがすべての基準となります。そのような責任ある方が、緑黄色野菜ごときに屈するなど、決してあってはならないと愚行致します」 「う、うむむ……」 唯々諾々としていた人形師の思わぬ言葉に、カベルネが口をにごす。すると、人形師はそのまま身を屈めて(少し窮屈そうだった)ひそひそと耳打ちした。 「魔王さまの分は、かなり少なくしてありますので……」 「……うむ、それもそうか!」 雲を吹き散らすように、カベルネの顔色がさぁっと晴れた。 「臣下の思いをくみ取るのも、また、王たる者の務めじゃな」 「まさしくその通りです、我が魔王さま」 そのあいだ、もう一つの席に座る、海賊の星人形、エルモは憮然とした表情を隠そうともしていなかった。 エルモは七つの海をまたにかける大海賊、青い神の石を瞳に宿す星人形だ。 凝った装飾の施された衣装は、港から港へ渡り歩き、略奪を繰り返してきた彼の航海と富の象徴……古来、彼らは略奪“される側”に決してならぬために、財産というものを全て物に変えて身に着けて歩いた、その名残りだ。皺一つないシャツ、金に輝く重たい飾りボタン、分厚いブーツ。片手がフックじゃないのがちょっと惜しいな、と彼は少しだけ残念がっていた。 赤を基調とした鮮やかな衣装の色合いは、彼の淡い美しい薄桃の髪色にあつらえたかのように映えていた。 もちろん、彼は星人形として目覚めたばかりなのだから、それも当然だった。 テーブルに並べられた晩餐のシチューは、バターの香ばしい良い匂いがした。 (紛失) 「また腕をあげたな」 食事がひと段落してから、カベルネが人形師に話しかけた。 「今日はエルモのために、一段と腕を振るいましたので」 「うむうむよかろう」 彼女は笑って首肯した。よい働きじゃ。褒めてつかわそう。 「ワシが野望を成就した暁には(※人間になったらしたい夢のこと。世界征服)、世界の半分……はあいにく我が愚妹のものじゃが、さらにその何分の一かは……くれてやろう」 「望外の喜びにございます」 カベルネは気取った仕草でコップを持ち上げた。中には、しゅわしゅわしたグレープ風味のジュースが並々と注がれていた。 昨日、彼女は人形師に、本当のアルコールから何から色々と運ばせて……お酒や苦い味のはとてもとても不評だったので……以降、彼女の指す「ワイン」はこれに決定された。 ※ 神仏に誓って、提出されたキャラシの魔王さまに寄せたのではなくって、前に遊んだ卓の人形師さんが、いいキャラしていて個人的に気に入っていたので、今回も同じ所属でしたし、再登場をお願いしようかな、と考えていたんです。ただみんなキャラいい感じに濃いし、逆にコンソメスープみたいなのが味が締まるかなと思った次第です。 ※まだセッションが始まっていないため、実際の商品とイメージが異なる可能性が非常に高いです
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2021/12/27 07:27[web全体で公開] |
😶 ゆうこや新サプリ! ゆうやけこやけ追加サプリ「ふるさとこみち」発売おめでとうございます。めがっさ嬉しい。 ゆうこや昔話! 今回の舞台ははるか昔、人々が田んぼを耕し、妖怪変化たちが夜を闊歩する、そういう時代。 毎回恒例ですが、サンプルキャラクターが可愛いんですよね。今回は石霊(お地蔵様やご神体の岩など)、天狗、龍、牛、氏神! かなめさんが可愛くてすき。あと、牛の変化って珍しくて面白そう、なんか遊んでみたいですね。 データ集的なところを見ると、「汎用特技」ということで、今までの枠組みにとらわれない変化の作成が可能になっているみたい。好きな特技と弱点をばーっと選んでぱぱっとオリジナル変化作成! っしゃあ!!(おたけび) ・龍神様の委任状 せっかくなので早速新種族新テーマでシナリオした味。お正月ぐらいに隙を見て卓立てたい
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2021/12/11 06:23[web全体で公開] |
😶 魔女と見習いRPGフレッジウィッチ、リプレイ ゲムマ新刊のTRPG、魔女と見習いさんになって、立派な魔女を目指してがんばる! という楽しそうなゲームなんですけど、先日お友達にお声掛けして遊んでみました。 オンセの完全テキストでも、キャラ作成からじっくり取って、都合3時間ちょいだったので、さくさくと遊べて楽しいシステムでした。楽しかったのでちょっとしたリプレイです。 ● 「おーい。サキ……。……サキー!」 魔女が居を構える魔法の森に、叫び声が響いた。ふよふよと浮かぶ白い霧が、分厚いカーテンのように、声を阻んでいる。目に見えるほどの濃いマナが、木々の呼吸といっしょになって、森に満ちていた。魔女が住んでいる場所はみんなそうだ。人里から遠く離れたそういう場所で、魔女は世界を見守っている。 魔女の弟子のひとり、妖精のトリムは、霧を蹴散らして、森の中を歩いている。 燃え上がるような赤い髪に、白い手足をむき出しにして、あちこちを探している。彼女の内側から、春風のような温かいマナが噴き出て、霧を吹き散らしている。散り散りになり、渦を巻いて、木漏れ日に照らされきらきらと輝いた。スプーンで掬えそうな濃いマナにも、妖精であるトリムはへっちゃらな顔をして、我が物顔で歩いていた。 「……おーい。サキ、どこぉー……?」 言いかけて、ちょっと首をかたむけて、彼女は黙り込んだ。 ……見つけた! 次の瞬間、妖精は空を飛んだ。大きな木の枝に寝そべった、もう一人の弟子を見つけて。 そいつが何かするよりも早く、トリムは大きく息を吸い込んで、叫んだ。 「起きてー、サキ!!! お師匠様が呼んでるのー!!!」 「うにゃぁぁぁ!?」 寝ているところに、耳元へ大音量でがなりたてられた黒青猫のサキは、恨めしげな目つきでトリムを見上げていた。 [メイン] メイガス : 1D6 日常シーン (1D6) > 6 ・日常シーン表……⑥相談 「ししょー! サキ、見つけてきた! これでトリムのこと、もっと好きになった?」 「やあ、おかえり。早かったね」 魔女の家は、膨らんだキノコみたいな形をしていて、日当たりのよい丘の上に立っていた。トリムが、小脇に猫のサキを抱えて、魔女の家へと続くゆるやかな坂道を登っていくと、家の軒先に、彼女たちの「師匠」が待ち構えていた。腰かけた木箱の上でやや行儀悪く足を組んで、いかにも“魔女”という風貌の、へんてこな三角の帽子をかぶっている。大きくて、年季の入った煙管でぷかぷかと紫煙をくゆらせていた。 その隣には、くるくるふわふわの、可愛らしい精巧な羊の少年の人形が座っている。 「ししょー、すき~!」 「はいはい。ほら、おいで」 「えへ。えへへ~」 トリムが相好を崩した。頑是ない幼子のように、褒めて褒めて~! と駆け寄ると、妖精がまとう風がすぅっと煙管の煙を吹き消した。しょうがない、という表情で煙管を置くと、魔女は膝の上で適当にトリムを抱きかかえた。 トリムの腕からするりと抜け出した黒猫は、せっせと顔を舐めている。ちらりと魔女に目を向けた。 「魔女さま、魔女さま」 「ん。なんだい、サキ?」 「お悩み相談室にゃ。もっぱらこの家には、安眠できるような場所がないのが、目下問題にゃー」 魔女の膝であやされている妖精を横目でみながら、サキは訴えた。ちぇー。 「安眠ったって、具体的には、どーゆーんだい?」 「この家には静かな空間が不足しているにゃ。 魔女さまも、思案のためにも静かで落ち着ける空間が必要だと思わないかにゃ?」 「ふぅむ」魔女はこっくりとうなづいた。「まあ、犬と猫をいっしょに飼う時にも、お互いに入ってこれないプライベートな場所を作れ、とペットのしつけ本に書いてあったものねぇ」 妖精が垂れ流すマナが、熱いお湯から昇る蒸気みたいに、魔女の髪を揺らしている。 「眠れないなら」心地よさそうにうつらうつらしていた妖精が、急に魔女の膝からがばりと起き上がった。「トリムが子守唄を歌ってあげよーか!」 「に゛ゃぁぁぁ」サキはものすごい目つきをしていた。 魔女が、トリムの首の後ろをつまんで黙らせる。母猫が子供を運ぶときに似ていた。 「はいはい、けんかしないの」 「ぐぇー……。ししょー、犬飼うの?」 「いんや」下からひょいっと覗き込まれて、魔女は小さく微笑みました。 「もう飼ってるようなものだしねぇ」 「???」トリムの目に疑問符がいっぱい浮かんだ。 「にゃ……」早くも、サキはその場で小さくなって、お昼寝をする体制になっていた。 「そろそろ、あんたたちも、次の段階へ進んでも良さそうだね」 「……つまり、結婚ってコト!?」 魔女の言葉は、二人の弟子たちの修行のことを指していたが、あえて彼女は何も言わず、ただ黙って微笑んだ。 [メイン] メイガス : ▲導入シーン ある日、見習いたちが家の中を掃除していると、可愛らしいお人形を見つけます。 このお人形は、魔女である師匠が昔使っていた使い魔の人形です。 その人形は、瞳にオパールが輝いていて、くるくるとした巻き角に似合わず、おどおどとしたところのある男の子だった。 本日の、魔女さまからの修行は、これと同じ、魔法の人形を作る、というものだった。 「なにこれ動いてる! すごい!かわいい! ししょー天才! 結婚しよ!」 「わたしの好みは、自分より年上だよ」 「……!?」見慣れない人形に、サキは耳をぺったりと倒して警戒を露わにしている。 不真面目にも見える弟子たちではあるが、魔女を志した理由表では、サキが「魔法に憧れた、D2/6」、トリムが「師匠に一目ぼれ、D4/6」なので、修行、あるいは授業と聞くと、案外素直になる。 「出来の悪い生徒は、お夕飯抜きだからね」 (出来のいい生徒は結婚かな……?) ( ˘⊖˘).。oO(ラストの一言が天才過ぎて、夜中なのに大笑いしちゃった)