ぱむださんの過去のタイムライン

2024年08月

ぱむだ
ぱむだ日記
2024/08/23 04:59[web全体で公開]
😶 旅は楽しい、世界は美しい。ナラティブTRPG「Coda」
Codaは、GM不要のナラティブRPGです。
CodaのPCたちは実在の芸術をモチーフに作り出された、美しく不可思議な「ホムンクルス」です。人類の黄昏において科学技術と神秘を極めた奇妙な大企業が、滅亡への道をひた走る人類の夢を託した存在、それがPCたちなのです。
人類はすでに滅び、都市には美しい建築物と醜い戦争の傷跡が残されています。そんな中、ホムンクルスたちは目覚めて、自然と手を携え、旅を始めます。その先に何があるのか、この度は何のためにあるのか、知っているかも知らないし、知らないかもしれません。

Codaはナラティブにかなり重心を置いたTRPGです。PC同士の対話や思いつきを誘発するシステムがメインであり、戦闘や交渉は発生しません。CodaのPCたちは役割を回り持ちで引き受け、そのシーンにおける描写を協力して紡ぎだします。

一人はウーベルチュール。その場面が五感に訴えるものについて表現します。
「ここは廃劇場だよ。古びた袖幕が繊維ばかりを残して撚れてぶら下がっていて、壊れた天井から光が射しこんでいる。壊れた観客席には雑草がはびこって、草の穂が風に揺れている。ここで繰り広げられた大歌劇も今は昔、埃を被った劇場で、美しいホリゾント幕いっぱいに描かれたキュビズム絵画だけが輝かしく色鮮やかに目に焼き付く」

一人はクレッシェンド。その場面がPCたちに課す課題について表現します。
「廃劇場で演劇をしたい? でも、衣装のサイズが僕たちに合うかな。それに、小道具が壊れているよ!」

一人はクローチュア。その場面を終わらせることを宣言し、ダイスを振って結末を決めます。
「演劇は思ってたよりずっとうまくいったよ。歌声が響くと、廃劇場の中の空気がざわめいたような気がした……」

このゲームの目的の一つは、「世界の美しさを知ること」。都市には10のシチュエーションと、12のトラマ(イベント)が用意されています。ホムンクルスたちはまだよく知らない自分たちの生みの親について、滅んだ都市の景観を通して知っていきます。あるいは、誤解していくのかもしれませんが……とにかく、ホムンクルスの旅は、そのまま彼らの人生でもあります。
様々な場所で様々な経験をするたびに、PCたちは少しずつ「最後の選択」へ近づいていきます。
それは楽しい旅の終わり、そして何かの始まりを意味します。

滅んだ世界を歩きながら交流する、というゲームの内容に、自分たちが生み出された理由も知らず、本当の人間たちの生活すら知らないまま生まれたホムンクルスたちが無邪気に遊んだり探索したりする光景が重なり、なんとも言えず美しいゲームです。
誰にとっても楽しい旅であってほしいな、と、一応進行役として参加しながら(本来はGMの出番がないゲームなんですが)なんだか切ない気持ちになっていました。
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べいろす
べいろすぱむだ
2024/08/07 22:05[web全体で公開]
> 日記:憎悪

ちょうどこのエントリーを見て、カースボーンの華月ちゃんがそれで呪われた〜とか言おうとしましたがやめておきました:(
天号
天号ぱむだ
2024/08/06 11:49[web全体で公開]
> 日記:かつての友と戦場で出会うロボTRPG「Spectres of Brocken」

はじめまして、こんにちは。
興味深い題材のTRPGを紹介してくださって、ありがとうございます。

>カッコよく決断すると、キャラクターごとに決めたテーマソングが流れます。
>なのでちゃんと決めておきましょうね、テーマソング。

この辺りを読んでコーヒーむせました。苦い!笑
・・・ロボットが題材のゲームって、どうしても男の子の好きなもの、機体の細かなバリエーションとかを表現しようと、データが細かく重くなっていく傾向があるので、私としては、こういうゲームもあるんだ!いいね!という気持ちになりました。
余裕ができ次第、入手したいと思います。ありがとうございました!
ぱむだ
ぱむだ日記
2024/08/06 11:15[web全体で公開]
😶 かつての友と戦場で出会うロボTRPG「Spectres of Brocken」
ロボットは今も昔も人気の題材で、国内外に様々なTRPG作品があります。
同じロボットを題材にしたTRPGでも、ロボットのどんな魅力に注目するかによって、その描かれ方は大きく異なります。私は正直、ロボットについては門外漢もいいところなので、詳しい話をすると何が何やらという感じですが……ただ、いいゲームはジャンルを超えて楽しめるというのも事実ですね。

「Spectres of Brocken」は、PCがロボットのパイロットになって対立する物語を演出する、ストーリーテリング系のTRPGです。
この「対立する物語」っていうのが結構大事な要素です。PCたちは同じ学び舎でロボット操縦の訓練を受けた、いわば学友です。それが運命のいたずらで対立することが、このゲームで最も大事な要素になります。

ゲームの前半は「アカデミーフェイズ」。PCたちは同じ学校に通って青春を過ごし、お互いのことを知り、友情を深めていきます。殴り合ったり、学校行事に参加したり、お弁当を作ったりします。学校をさぼって遊んだ思い出の川、ワッフルが美味しかったカフェ、決闘した河川敷。具体的であればあるほど、ゲームとしては有利です。そして、絆を結びます。
具体的にこの学校がどういう理由でどのようなロボットの操縦技術を教えているのか自体については世界設定によって大きく異なるんですが、若者はどんな世界でも青春を楽しむものです。
アカデミーフェイズはPCで回り持ちをしながらシーンを演出してムーブを誘発し合い、プロンプトに答えることで関係性を変えていく、あっさり風味ですがかなり濃密に青春らしいことをやれる構造になっています。

PC全員が何かしらの関係を築いたり、あるいは強い個性を得たりすると、アカデミーフェイズを終えることになります。
アカデミーフェイズが終わると、時間を大胆に数年飛ばして「コンフリクトフェイズ」が始まります。

つまり、身も蓋もなく戦争が起きます。

「あの時代は終わった。」
「あの頃は私たちは世界について何も知らなかった。」

「今は、よく知っている。」
「私たちは、勝たなければならない。」

「そう、友の屍を越えてでも。」

離れ離れになったPCたちは、戦場で再会します。
PCたちはそれぞれの勢力のエースパイロットになっています。PCたちは必ず対立し、出会って戦うごとに誰かが大事なものを失います。戦場は混迷を極め、いくつものありふれた悲劇の中でPC達は銃を向け合い、その巨大な機体を駆るパイロットがかつての友であることに気づきます。
コンフリクトフェイズでは〔blood〕という要素があり、これがプールされる数が増えれば増えるほどシーンは血なまぐさく、危険で、悲劇的になっていきます。希望を掴むためにあがくのも、戦場の死神となって友の命すら奪うのも、全てはプレイヤーの決断次第です。
カッコよく決断すると、キャラクターごとに決めたテーマソングが流れます。
はい、なのでPC作成段階でちゃんと決めておきましょうね。あなたのテーマソング。

「キャンペーンしたいとか、勢力間構想のシミュレーションをしたいとか、細かいロボのデータを組むとかじゃなくて、こういう作品の長期の人間関係をさくっとエモくプレイしたいんだ!」という、わかりやすくて潔い構造のゲーム。
参考作品にロボットアニメの名前と共に「NARUTO」と「ファイアーエムブレム風花雪月」が挙がっているのも納得ですね。

基本ルールだとダイスが不要な、まさにストーリーテリングに特化したゲームです。(ダイスは使っても良いみたいですが、自力で選ぶことに意味がある場面が多いのであんまりお勧めしたくないなあと思います)
こういうゲームよく読むけど遊んだことないので、いつか機会が欲しいですね!
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ぱむだ
ぱむだ日記
2024/08/02 02:16[web全体で公開]
😶 えっ、今日はいっぱい意味ありげなこと言っていいのか!
アルシャードffのキャンペーンにオラクルで参加したので、常にわかったようなわからないような意味ありげなことばっかり言っています。
もうそんなに大したこと言ってなくても「意味ありげ…」と言われるくらいキャラそのものが意味ありげになってしまいました。
困ったことに、今回予告とハンドアウトのシステムがあるアルシャードffのキャンペーンにおいて、意味ありげなことは常にいくらでも言えてしまいます。
違うんだ……私は、PCどうし楽しくやりたいんだ……
自発的に意味ありげなキャラという位置づけに一度上ってしまった以上、うまく下りられるかは重要な問題です。
いつ下りるか、どうやって下りるか。
その選択が、私の導くべきクエスターたちにどのように関わってくるか。
それこそが、輝きの騎士の運命を左右することになるでしょう……

これをやめたいって話じゃなかったっけ。
ともかく、アルシャードffは楽しくていいゲームです。どんどん遊びたいな。
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Kei
Keiぱむだ
2024/08/01 22:29[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ
まあ、V5くらいのやり方がいいような気がしますわね。V5 ですと、長所として「美形」を選ぶことができて(逆に短所として「醜悪」を選ぶこともできます)社交的な判定でダイスを追加できますが、もちろんこれを活かすためには関連する能力値を高めたり技能や背景を取っておく必要がありますし、もちろん PL は判定を社交側に寄せるように RP なり宣言なりで誘導しなければなりませんし、場合によってはなぜ長所が役に立つのかも説明しなければなりません。結果としてトラブルになることも当然ございます。
これは外見だけに限った話ではなく、全てを筋肉で解決しようとしたりとか、まあ色々な方がいらっしゃるわけですが、総じて、適切なリソース消費などの対価がなかったり、ご都合だったり、あるいは物語に貢献しないというのがよろしくないのかしら。などと思いますの。
というわけでわたくしでしたら、PL が意図しないような副作用を起こしますかしら。だって放って置けない特上の美少女とやらでしょう? どんな受け入れ難いことが起こるか……(。などとね。考えてしまいますの。
WAST@ルセラフィム推し
WAST@ルセラフィム推しぱむだ
2024/08/01 21:17[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ

PL「普段見せない可愛い顔を見せて誘惑する!本人にはその気はないけど誘惑してる!」

ここで

キーパー「君はそんなにメインの事件を◯◯監禁調教事件に切り替えさせたいのかい?」
と返せば要求を引っ込めるかもしれません
あと、便乗した日記を書くかもしれないのでよろしくお願いします~
りんりん丸
りんりん丸ぱむだ
2024/08/01 20:27[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ

初めてまして、こんばんは
D&Dだと以前は【魅力】は「人を惹きつける力以外に肉体的な美しさをさす。」とルルブにしっかり明記されているのですが、5版だとそこら辺の記載がないので、【魅力】は見た目じゃないからという理由で一桁数値まで下げるプレイヤーが多いです。見た目じゃなかったら下げていいのか?といつも思ってます。

現実は、内面的オーラのほうが重要な気がしてみたり。TRPGなので、美形になりたいという願望があるのでしょう。

異性キャラをやりたい男性が多いのは、演じたいというより美少女キャラが好きなんだろうなぁと。
やたら女体化させるソシャゲとか、やっぱり美少女キャラは人気ですからね。コメント失礼しました。
ハル
ハルぱむだ
2024/08/01 18:29[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ

初めましてコメント失礼いたします。
容貌が良くても有力にも不利になるので、「この顔は掘りの深い顔ですがNPCの好みですか」などと聞いた事はありますが、美形も不細工も、化け物はみんな頭からぺろりといったりぐずぐずに溶解させたりひき肉にしたりしてくれるから大丈夫だよ。は勝てないし逃げられないなら確かにそうなるので凄い説得力だと感じるとともに面白いな!と思いました。
セス・メイソン(CoC7PC名)
セス・メイソン(CoC7PC名)ぱむだ
2024/08/01 18:17[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ
コメント失礼します。
良く言えば一芸に秀でている、ですが
悪く言えば応用力に欠ける、と言えます。

他にも鬼神の如き筋力、全てを識るかの如き知力、
韋駄天の如き速さ、或いは神の手の如き器用さ、
等を盲信してごねる方はいらっしゃいます。

その方々に共通するのは、
ワンパターン化したいという思いです。
役割分担と言い換えれば協調性を感じますが、
実態はNPCのように行動を決めて異質さを個性として扱っている感じがします。

そうすることのメリットは一応あって、
創作物におとしこみやすいことがあります。
王道というのがワンパターン化の成功例です。
再現するのが楽しい層が一定数いらっしゃいます。

そういうキャラに憧れる人が増えていってキャラが被ると一気に白けて辞めるのも特徴に感じるので、
私はいろんな選択肢を持ってRPしたいですね。
PI-TG001(平岡AMIA)
PI-TG001(平岡AMIA)ぱむだ
2024/08/01 16:31[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ

何か言いたいのですが、わたし自身がなにを言いたいかわからず…
トランス業界で、女装子とかは特にルッキズムもあるのですが、これは量が学部の卒業論文ものになるので気になったら。

それは置いといても、わたしあたり(世代ごと差別されてきました)の世代からたしかにそういう傾向は強まっているように見えます。
そういえば今の”俳優”は「きれい」な感じのばっかりですね。別のベクトルのカッコよさはどこ…?
その反動なのか、老婆の騎士とか、ちんちくりんとか、オールドスクールのオジサマをPCとして作ったことがあります。
わたし自身は精神がまともなら相手の容姿はあまり考えませんが、ほかの人はどう思うのか、と考えるとやっぱり努力せざるを得なかったり。わたしはMtXでもノンホルなのですが、”それらしさ”の維持のためにメイクや体重管理の努力が必要です。とはいえわたしはメイクできて悪く言われなくとも首から下がかなり難しい状態なのですが…><

とはいえ、わたしの理想は、どんな人も、それなりに幸せになれるように、なので、今の社会はつらいです。
星屑
星屑ぱむだ
2024/08/01 16:10[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ
日記よりコメント失礼します。

私おもにCoC畑で栽培されたものですのでそこからの視点がかなり入ってしまいますが
特にCoCではAPPというのは割と重視されているステータスだなぁと感じております。
以前活動していた棒掲示板で戯れに計算されていた方がいらっしゃったのですが
登録されたり応募されるキャラクターの平均ステがAPPが突出して
賽子の期待値から外れているという事もありました。
(大体他のステも平均値自体上回っていたのですが!)
そして当たり前のようにAPPによる魅了を試みるという文言が通用していたように思います。

日記でもご指摘されているように現実世界での鬱憤や羨望も大いにあるとは思いますが、
他の要因として映えやエモを重視する姿勢が強くなったことや
どのようなシステムであるにしろ、人間的である事が共通する部分である事で少なからず通用してしまう事が
それを誘う大きな理由の一つなのではないかと愚考しております。


格好良い場面もちょっとした失敗も、アニメーションやゲームなんかでもそうであるように
容姿の良いキャラは”エモくできる選択肢”をより多く与えられるというのは間違いなくあると思います。
多くの方が世間でルッキズムという言葉で指摘されているように。

そして、容姿による魅了に始まってステータスを論拠としたパワープレイは簡単に”映え”を演出できます。
判りやすくて考えないで済みますし、参加者(場合によっては視聴者)にも多くの場合で説明が不要です。
そのシステムに対する理解や細かいシチュエーションの調整なんかいりません。
そんななんにでも使える要素があれば、使いたくなってしまっても無理はありません。
金槌しか持っていない人は全てが釘に見えるのですから……。
ようは経験値不足が大いにある。ということですね。


まぁその全てを名状しがたき存在は受け入れ(物理)てくれるのですから
プレイヤーを続けていればそのうちそういった意識は減っていくのではないでしょうか。
はるるん
はるるんぱむだ
2024/08/01 15:43[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ
ほへ~、面白いですね♪
D&DやCoCにはCHAとかAPPとかあるので…判定で有利不利のボーナスを与えるのはありですね?
それ以外であればあくまでフレーバーなので、まぁ…

現実世界で言えば顔での有利不利が無いとは言えませんが、
芸能人と一般人レベルくらいの差じゃないと誤差の範囲かと…
もっとも、清潔感による有利不利は間違いなくありますが(汗

感覚的には自分への容姿コンプレックスが高い人ほど「容姿がいいとあらゆることがうまくいく」と思ってそう…
結局は無い物ねだり?

それにしても…面白いですね♪
聖岳生馬
聖岳生馬ぱむだ
2024/08/01 15:08[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ

「GURPS」で容姿に有利な特徴としてキャラクターポイントを支払っていたら相手の態度に関して、良い反応が返ってくるだけでもいいんじゃないでしょーか。
もちろん容姿だけで不可能なことが可能になったり、相手の職業意識を無くさせるなどという(ルール外の)ことは発生しませんがw

現在のWebの発達で子どもの環境も大きく変わりですよね。
クラスで一番イラストが上手くても、すぐにWEBコミュニティーで、最後は世界で上手い人と比べられる。
昔だったら一芸でクラス中からリスペクトがあったんですが。

みんな、そんな息苦しさから解放されてぐずぐずに溶解されたりひき肉にされたりしよーぜ!
散弾銃
散弾銃ぱむだ
2024/08/01 14:54[web全体で公開]
> 日記:ルッキズムとリアリティ

コメント失礼いたします。
凄く興味深く読ませていただきました。

もし良ければ、そういった「見た目の力」を強調するPLは、異性/同性PCのどちらが多いのか、年代はどんな人が多いのか、その他共通する特徴はあるのか、ぱむださんの見てきた範囲、主観でいいので是非聞いてみたいです。


>美形も不細工も、化け物はみんな頭からぺろりといったりぐずぐずに溶解させたりひき肉にしたりしてくれるから大丈夫だよ。

凄い説得力ですね。大丈夫だけど大丈夫じゃない。
ぱむだ
ぱむだ日記
2024/08/01 13:50[web全体で公開]
😶 ルッキズムとリアリティ
TRPGプレイヤーの一部には、なぜか「容姿がいいとあらゆることがうまくいく」という信仰じみた信念を持っている人が一定数います。
回避判定に成功して「イケメンだから当たりませんでした!」って笑い飛ばしたりするような、「分かっている」方向性じゃなくて、何かしら行き詰まると「あとは顔の良さでどうにかなりませんか?」と真顔で言いだす感じです。

現実に生活していて、綺麗な人を目にすることはしばしばあると思います。
綺麗な人は綺麗であることで確かに得をしていると思いますが、その利点が常にその人本人のコントロール下にあるかというと疑問です。
それに関しても「(生まれつき可愛いから)自分の可愛さをよく知ってる」という設定を山ほど見てきましたが(これなんでみんな同じ書き方するのか不思議なんですが元ネタかなんかあるのかな)、それはかなり一元的な……つまり、可愛くない人から可愛い人を見たときの、可愛い人への偏見を含んでいる物の見方だと思います。人はどこまで行っても自分であり、自分から逃れることは出来ませんが、だからと言って知り尽くし、使いこなしているということにはならないはずです。
容貌について明確なデータがあるゲームであるGURPSでも書かれているように、美しい容姿であれば人さらいに目をつけられたり、あるいは顔を怪我してせっかく支払ったCPをむざむざ失う危険が常に付きまといます。そうでなくても、単純に顔を覚えられやすくなることがゲーム的に不利に働くこともあるでしょう。
こういったゲーム的な要素を一旦抜きにして考えるとしても、現実社会で「大した交流もないのに顔がいいからえこひいきして便宜を払ってくるやつ」はたいていろくな人間ではありません。そのえこひいきに乗ってうまい汁を吸えば、いずれそれ以上の代償の支払いを求められるでしょう。

以前、学校の先生や用務員さんとの交渉を、容姿の良さでなんとか通したい、と言われたことがありました。
そもそもシナリオではこのNPCたちとの交渉は想定されていないのですが、この時点で知ってることに対して隠す必要があるわけでもなく、敵対もしていないので、先生たちは生徒の疑問には答えられる範囲で答えるはずです。
ダイスを振る必要はなく、何を聞きたいかを具体的に口頭で伝えてくれれば、NPCがどんなふうに反応するかわかりますよ、と返したのですが……

PL「でも、顔が良かったら態度は変わりますよね?」
私「確かにあなたは可愛いですが、可愛いからと言って態度を変える先生ではなかったようですね」
PL「普段見せない可愛い顔を見せて誘惑する!本人にはその気はないけど誘惑してる!」
私「先生はごく普通の先生なので、生徒の悪ふざけにはいちいち取り合わないですよ」
PL「でもふつう、特上の美少女が身近にいたら……」
私「いたら、その可愛さにもすぐに慣れっこになって、普通の反応をするようになるでしょうね」

ちょっとした押し問答になって、結局他のPLが質問する形になったんですが……
もちろんこれ、PLの気持ちも分からないではないです。「NPCに聞くことを具体的に言う」というのは、部外者に言うべきでないことを言ってしまって不利な状況を引き起こすトリガーになりかねないからです。先生を篭絡して黙らせ、自分に都合の良いことしかしない状態にしたいというのは、まあ自然な心理である気もします。先生は敵対してないから答えられることには答えてくれるよ、とここまで言えばPLの疑心暗鬼を引き起こすことにはならなかったかもしれません。
ただ、私としては意地悪をしたつもりはありませんでした。他者との情報のやりとりには常にリスクが存在するし、絶対的な安全圏から情報だけを獲得できる権利なんてどんなビルドをしたPCにもありません。単に「質問したいことを口頭で具体的に明言する」というのは、ゲームを冗長にするほどのリスクとは言えないでしょう。

容貌がいいことが有利に働くことはもちろん現実にありますが、ゲーム的な利点として常に活用できるほど有利かというと、様々な要素から疑問があります。
しかし、上の例でもあったように、容貌が良いことにこだわるPLは「こんな美人がそばにいたらふつう~」という言い方をよくします。
対人的な場においては、常に美人が理不尽なほど得をするのがリアリティがある、というわけですね。

正直、今の若い世代にとってはそれがリアルなのかもしれない、とは思っています。

様々なメディアの普及からごく普通の中高生まで容姿を常に評価され、見定められる時代になり、ルッキズムは苛烈で極端なものになっています。顔さえよければ全部うまくいってるのに、あいつ顔だけなのにうまくやりやがって、と思いながら生きてる若いPLが実は多いのかもしれません。

しかし、ある程度生きてきた大人からすると、そんなことはないから大丈夫だよ、と言いたくなります。

少なくとも、ゲームの中ではその極端なルッキズム世界観で生きて行かなくていいんだよ。
容貌のデータがあるゲームでも、それが判定に影響するかどうかはGM(KP)が決められるから、常に容姿で評価されることに怯えなくていいんだよ。
美形も不細工も、化け物はみんな頭からぺろりといったりぐずぐずに溶解させたりひき肉にしたりしてくれるから大丈夫だよ。
ゲームの中の世界で、その報われなかった世界の「ふつう」にこだわらなくていいんだよ。

リアリティというのは、生きる世界によって異なると思います。
人は見たいものしか見ないので、全く事実ではないことを「ふつう、こうだ」と思い込むこともありえます。
たまに、その「リアリティ」に、その人が抱えている傷が見えた気がして、ちょっと胸が痛むことも……
いいね! 41

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