これを推します

Kei
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登録日:2022/01/06 20:42最終更新日:2022/01/06 20:42

お好きなナラティブ系TRPGについて存分にご紹介くださいまし。未訳のものでも構いません。
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Kei
5. Kei
2022/04/17 20:03
こちらのスレは過疎っておりますので、先日遊んだSothの紹介をしましょう(未訳インディーズTRPGです)。
Sothは、カルト信者になって邪神を復活させるTRPGですの。PCは何かしら問題を抱えた人物だということと、邪神復活の儀式をいつどのように行わなければならないか、ということは予め決まっています。
ゲームの手順ですが、まず、舞台設定を作ります。それから、その舞台にふさわしいPCを簡単に作ります。ついで、PCに近い人間関係を全員で決め、これまでに描いたことからPCが毎日行わないと周囲から怪しまれることを決めます。それから、最初の儀式がどのように行われたのかを質問のリストに答える形で描き、最後にPCが抱えている強迫観念を決めます。
PC間の対立は普通にあり得ます。カルト教祖の地位を争ったり、儀式の詳細を描いた魔導書を盗み出したりといったことが起こり得ます。加えてPCは召喚の儀式を行わなければなりませんが、ルールで決められているのは最低限の条件で、詳細は(GMが認める範囲で)PLが好きなように決めることができます。例えば、誰をどのようにして生贄に捧げるのか……。
PCには明白度(明らかに怪しい度合い)というステータスがあますし、さらに、PCは普通の生活を送る「ふりをする」過程で、怪しい言動をしなければなりません。このステータスは、ゲームを進める過程で上昇します。
さらに、PCの行動は多かれ少なかれ疑惑を生み出します。そう、誰かが、誰かというのはPCに近しい人に違いないのですが、探索者となってカルト教団の陰謀に立ち塞がってきます。GMはPCの言動によってどんどん疑惑度(PLに隠された、周囲の人々が感じている怪しさの度合い)を貯めていきます。疑惑度はPCにとっての厄介ごとを引き起こすリソースとなります。
具体的な物語の詳細は最初に作った設定と、PCが何をするかに依存します。それと、儀式の詳細をどのように解釈するか。毎回異なるカルト信者の物語になりますし、通常のTRPGでしたら遊ぶこともないようなPCがまた楽しいですわよ。GMは結構大変ですけれど……。
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Kei
4. Kei
2022/01/16 18:02
推しというわけではないですが、システムの説明を含むので、こちらで書かせていただきます。Fate前夜のお話です。わたくしも知らないことが多いので、補足などありましたらよろしくお願いいたしますわ。

まずFudge (1992) がありました。Fudgeは汎用TRPGだったのですが、全部言葉で表現する、判定最小限、PCには大きな欠点もある、という特徴がありました。欠点は、PCの生活を困難にする何かで、行動を制限したり、NPCの反応が悪くなったりします(解釈はGMと担当PLに任されます)。
判定は、まずダイスで成功段階を求めて、スキルやら才能やら欠点やらを加味して成功段階が上下する形式です。イメージとしては、スキルや才能が役立ち欠点が問題にならないなら成功段階が二つ上がる感じでしょうか。
また、キャラクター作成に「主観的作成」と「客観的作成」があり、主観的作成では(GMが認める範囲で)どんなキャラクターでも作成することができました。
汎用システムらしく、d20やBRPからの簡易変換ルールも提供されました。
選択ルールも特徴的でした。1992年には早くも、キャラクター作成をゲーム前に行うのではなく、ゲームを進めながら肉付けしていく方法が提案されました。
1995年には、もうダイスを振らなくていいのでわ? という選択ルールが提供され、そこでは、基本はGMの語りで、PLはヒーローポイントを使用して(判定ではなく)より描写や結果に介入できることが示されました。

その一方で、天羅万象 (1997) の「因縁」システムが受け入れられ、その後のナラティブ系の流れに影響を与えることになったようです。そうしてやがて、Fateが生まれました。一方でシンプルな Fudge を好む人も多く、いまでも Fudge ベースの新作は作られ続けています。

Fudgeは公式サイトからダウンロードできますし、天羅万象(初代)はマンガ図書館Zで公開されています。
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Kei
3. Kei
2022/01/08 19:37
こんな感じで、皆さまお気軽に推しを書いてくださいまし! 遊んだことがなくっても構いません! わたくしもほとんど遊んだことがございません(。
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Kei
2. Kei
2022/01/08 19:26
青髭の花嫁、Girl Underground
物語を駆動するような適切な質問という難しい問題をルールで表現してしまうことに成功した Apocalypse World から派生した PbtA から、個人的な趣味で女性性をテーマにした作品を挙げます。青髭の花嫁は女性性にまつわる恐怖を描くフェミニン・ホラーで、Girl Underground は社会から要求される「女性らしさ」に立ち向かう少女の成長を描きます。GUは荒削りなところもあるのですが、PbtAが描くテーマ性の表現としては(知る範囲で)遊びやすいと思うのと、青髭はテーマとゲーム性が見事にマッチした作品かと思っております。GMありシナリオなしです。あと未訳です(個人的に私家訳はしていますが。

Dream Askew / Dream Apart、Wanderhome
Dream Askew / Dream Apart は、GMなし、シナリオなし、判定なしという方向性を切り拓いたBOBというシステムの最初のタイトルで、非常に重いテーマを扱っていますし、どうやって遊ぶのかよく分からない点もございますが、これはうまくいけば(そう、うまくいけば)とんでもない経験を生み出すのではないかという予感を持ちました。Wanderhome はBOBですがDADAのような重いテーマではなく、遊びやすいのではないかという印象です。DADAは個人的に私家薬はしていますが未訳です。Wanderhomeは有志によるプレイキットの日本語訳があります。

レディ・ブラックバード
GMありシナリオなしで、状況のみが与えられるというタイプのタイトルです。いわゆるナラティブ文脈で語られるタイトルの中では古参に相当するでしょうが、これができれば他のタイトルは何でもできるのでは? クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで、有志による日本語訳もあります。
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Kei
1. Kei
2022/01/08 19:27
我らが王の身罷りて
個人的にはこれを書いている時点でのストーリーゲームの一つの頂点かと思っています。ルールに示された選択肢を選び、選んだ選択肢の状況や細部を描写/演出/RPし、その結果を判定する(意図的に悪い結果に誘導することも可能です)ことで物語が進む仕組みになっています。選択肢も必要十分なものが用意されているかと存じますし、選択肢から選ぶという言葉では想像できないくらいに、具体的に何が起こるのかは想像できません。GMなし、シナリオなしです。

灰色城綺譚
実はデザイナーの方はナラティブということを全く意図していなかったそうなのですが、初期秘匿ハンドアウトをプレイ中に公開するようにPL自身がお話を導くことが前提となったシステムです。バッドエンドまたはメリーバッドエンドが前提になっていて、ハンドアウトだけでなく、システムもそのような結末に誘導する形式になっています。PL3人限定。GMありシナリオありですが、GMなしでもプレイ可能かと存じます(公式には、プレイヤーが足りない時にGMが残った役割を行うことになっています)。

FATE Core / Accelerated
公式の日本語訳はありませんが、ナラティブ系の一般教養のようでして、わたくしも頑張って読みました。非常に自由度が高くRPGツクール的な側面があり、背景世界を作成するところからゲームが始まります。全てを「アスペクト」という短いフレーズや文章で表現するシステムで、アスペクトはプレイヤーが描くこともできます。PL間の同意を非常に重視する一方で自由度が高く、ルールブックの記述はナラティブでないTRPGをプレイする際にも示唆に富んだ内容が多く、必携の書ではないかと存じます。GMあり、シナリオありです。OGL/CC-BYのデュアルライセンスで、有志による日本語訳もあります。個人的な私家訳もしました。

(続きます)
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