温森おかゆ(まんじゅう)さんの日記 「感動的ロストは悲しみを雪ぐか」

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温森おかゆ(まんじゅう)
温森おかゆ(まんじゅう)日記
2024/02/03 08:58[web全体で公開]
😶 感動的ロストは悲しみを雪ぐか
 ありがたいことに最近は多くのTRPGに触れる機会を得て、さまざまなルールブックを読んでいる。
 それで気付いたのだが、ひとくちにPCが使用できなくなるロストと言っても、システムによってその扱いは様々であり、一旦『死亡』となったキャラクターもある条件を満たせば復活することができたり、『死亡』と『戦闘不能』のデータ上扱いが全く別だったり、そもそもPLが自ら望んでPCを死亡させた扱いにしなければロストはしないというルールであったりする。

 システムによって、またあるいは人によって、ロストの考え方は違うということだ。
 数多のシステム、数多の遊び方、その多様性と同様、ロストに対するそれぞれのプレイヤーの忌避感の大小も、また別だろう。
 このことに関しては、私の中ではCoCのプレイヤー間でのロストへの考えの違いを顕著に感じている。CoCはシナリオによってPCを失ってしまう確率が全く違うものが多く、少しでも無茶をすると一気に耐久力か正気度を持っていかれてロストが近くなってしまうこともままあるので、それに慣れた人はCoCではロストはあり得るものであり、いかに死に花を華々しく咲かせるかのゲームとまで言い切ってしまう人までいる。それもまた楽しかろう。しかし、それとは逆に、CoCであっても愛着のあるキャラクターを使い続けることを好む人もいる。
 これはシステムの本来のコンセプトどうこうというよりかは、日本におけるCoCに対するあまりに多様化した考え方、楽しみ方が生み出した、嗜好の違い、とでも言うべきだろうか。CoCというシステムの本来想定された楽しみ方がこうだから、という話で片づけるには、少々クトゥルフ神話TRPGは多様化しすぎているというのが私の考えであり、その辺りの嗜好はもはや甲乙つけがたいところまで違いが出ているのではなかろうか。

 私も多くのシステムに触れてきたわけではない。比較的最近のシステムに好みが偏っているので、このあたりをTRPGの変遷も交えて解説、論じられるほどではないことはご了承いただきたい。
 例えば私がこれまで触れてきたシステムでは、ロストに対してこのような扱いの差があったということだけ、簡単に説明させていただこうと思う。

◆無慈悲ロスト(クトゥルフ神話TRPG、ダブルクロス3rdなど)
 ロストになる条件を満たした時点でキャラクターシートが使えなくなる、というものだ。結局はこれが一番多いのではないだろうか?

◆ロストが確定した時点でボーナスがある(デッドラインヒーローズなど)
 最後に死に花咲かせて逝け、とあるのかないのか分からない慈悲をくれるシステム。デッドラインヒーローズでは、キャラクターのロストが確定した時点で「スパーク」と呼ばれるルールが適応され、いかなる代償も払うことなく好きな行動を最後に一度だけできるようになる。その行動が終わった時点で、ロストし、キャラクターシートは使えなくなる。ただし、演出的にもデータ的にも最後の活躍ができるというのは、初めて見た当時衝撃だった。

◆PLが望まないとロストしない(マモノスクランブルなど)
 比較的最近のTRPGシステムに導入されているルールだと思う。ナラティブ系に近いほど多い印象だろうか。キャラクターが戦闘不能などになっても、PLが「ここでロストすると美味しい」と納得づくでロストを望まない限り、ノックアウトで終わると言うもの。ロストでモメるくらいなら、PLが納得しない限りロストなんてないことにしてしまえ、というのは、確かに上手い手かもしれない。

◆救済措置あり(銀剣のステラナイツ、アンサング・デュエットなど)
 一度キャラクターシートが使えない状態に陥ったとしても、その後何らかの条件付きで復活できたり、取り戻すことができるというもの。ともあれ、愛着のあるキャラクターをどうしてももう一度使いたい、そんな想いに応えるルールがあってもいいじゃないか、そんな優しさと理解を感じる。

 さて。本題に移るが、PCのロストを簡単に受け入れられる人もいれば、簡単には受け入れられない人もいるというのは先ほども話した通り。これはどちらが悪いとか、どうするべきというよりかは、TRPGという『娯楽』である以上、いかに『ロストまでをも』楽しんで見せるか、というのがキモではないのか、と私は考えているのだ。
 要するに、どんなシステムでも、いかに納得できるようなロストを飾るか、という話でもある。

 最後に強大な敵にトラックごとぶつかって、中指を立てながら大往生していくか。大好きなパートナーや仲間に見守られながら、穏やかに逝くか。それが選べる状況にいざ立てるか否かというところは一旦捨て置くとして、キャラクターのロストが目に見えてきた時点で、プレイヤーなりに納得いくロストの仕方ができるというのは、もしかしたら、プレイヤーがその現実を飲み込むために重要な要素となり得るのではないか、と思うのだ。
 というのも、私が初めてPCをロストした時、仲間のPCを守るために自ら自爆特攻して大満足だった記憶があるからなのだが。ダイス運が絡んでいたとはいえ、初心者KPには申し訳ないことをしたとも思っているが。

 銀剣のステラナイツを見ていると、条件を満たせばロストするワールドセッティング(世界観設定)もあるものの、そのロストをいかに感動的に飾るかを提案している文が散見される。「紫弾のオルトリヴート」セッティングでは、Ifストーリーとして、ブリンガーが相棒であるフォージをその手で「処分」するまでを描いたシナリオまであるのだ。
 もしも参加者がそういったものを嫌いでないならという条件付きで、「PCのロストまでをもTRPGのロールプレイのひとつとして楽しむ」遊び方を提案しているのである。
 これはもう一種の「そういう楽しみ方」が確立されていると見ていいのではないだろうか。

 本音を言うと、実感を持って上記の疑問を解消したいので、ロストするまでを丸ごと楽しむこと前提の「リコレクト・ドール」や「紫弾のオルトリヴート」が非常に気になっているところである。
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レスポンス

Kei
Kei温森おかゆ(まんじゅう)
2024/02/03 14:47[web全体で公開]
> 日記:感動的ロストは悲しみを雪ぐか
(追加)あとまあ、こんなものもありますわね。
- 一人しか生き残れないもの(ファイナルガール など)
- 最初から死んでいるもの(スケルトンズ、ルサウカ など)
- アイテムになってしまうもの(少女展爛会 など)
- 英雄的末期が目的?のもの(9 Lives to Valhara など)
Kei
Kei温森おかゆ(まんじゅう)
2024/02/03 14:32[web全体で公開]
> 日記:感動的ロストは悲しみを雪ぐか
わたくしが遊んでいるゲームはたいへんに偏っている点はさておき、昨今のロストが確定していたり避け難かったりするシステムの多くに共通しているのは、ロストするかどうかに関係なく、キャラクターが一回限りのものという印象をなんとなく受けておりますわ。

■ 確定ロスト(Bluebeard’s Bride など)
事前に告知するかどうかはさておき、このセッションでキャラクターがロストして継続できないことが確定していて、どんなロストになるかを語ることが目的のゲームです。

■ 事前にロストすることが確定しているもの(ワンダー・ローズ・トゥ・ロード、モンセギュール1244 など)
確定ロストの一種でしょうが、最後に PC がロストすると明示されている場合があります。Wローズではゲームを続けていくと最後に PC は PL の手を離れることがあらかじめ明示されていますし、モンセギュールは PC たちがなぜ最後にロストを選ぶのかを語っていきます。

■ ロストしても登場機会が失われないもの(青灰のスカウト、Noirlandia など)
判定等の結果 PC がロストしても、その後も制限付きで登場し続けます。結果として PL は物語に最後まで関わることになります。

■ ロストしないもの(ゆうやけこやけ、NOVA など)
そもそもロストという概念がなかいもの(ゆうこや)もありますし、PC(の装備)が非常に強力で戦闘が全滅で敗れても任務が失敗するだけ(NOVA)という場合もあります。後者の場合、任務に失敗したことによってどのような出来事が起こるかを描写し、同じ PC で再挑戦することさえできるかもしれません。
ポール・ブリッツ
ポール・ブリッツ温森おかゆ(まんじゅう)
2024/02/03 13:45[web全体で公開]
> 日記:感動的ロストは悲しみを雪ぐか
思い出すのがツクダホビーのTRPGのワープスと、そのもとになったボードゲームの超人ロック。
「実は生きていた」ルール(笑)。
あ、もちろん、カッコよくロストするために、生き返れない「死んでヒーローをする」というルールもあります(笑)。
つぎの
つぎの温森おかゆ(まんじゅう)
2024/02/03 09:26[web全体で公開]
> 日記:感動的ロストは悲しみを雪ぐか
なん…だと……!?!?!
ロスト前提で楽しむ為のセッティングもあるんですか!?ステラナイツ…!?
そんなん絶対楽しいヤツ〜!!えっ、いいなあ…3巻も買おう(使命感)

公式が、「散ることをコンセプトにした世界観・遊び方を提示」してくれてるのは
散るのも楽しい派なので、個人的に助かりますねぇ…

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